死力尽くした5時間ドロー劇 首位キープのSB工藤監督「よく凌いだんじゃないかな」

ゲーム差なしの首位で天王山、工藤監督「2試合で終わるわけじゃないから」

 その後、「確かに今日も勝ちたかったけど」と語ったうえで、9回2死の土壇場からの同点劇や延長に入ってからのベンチの雰囲気を、指揮官は前向きに捉えた。

「ギリギリの試合の中で、ベンチが一丸となっている姿を後ろから見ていた。(選手たちが)こういうゲームをしてくれたことをうれしく思う。(引き分けは)よく凌いだんじゃないかと思うし、リードされていたのを自分たちで追いついたわけだからね。勝ちたかったが、よく引き分けてくれたと思う」

 これで2位の日本ハムとのゲーム差はなし。わずかな勝率の差で首位のまま21日、22日の天王山を迎えることになった。

「まだ明日1日あるから、その時になって考えます。初戦は大谷くんが来るんでしょ? しっかり対策を取って、打って勝てるようにね。(首位で迎えることについて)仮に2位でも勝てば1位になるし、その2試合で終わりじゃないからね。一喜一憂というのはあるかもしれないが、最後までみんなで力を合わせてやることが大事」

 日本ハムが勝ったことで、数字上は“半歩後退”した形となるドロー劇だったが、むしろ“半歩”で済んだことを前向きに捉えるべきだろう。2回以降11イニングを凌ぎきった投手陣の粘りと、9回に見せた打線の意地。それは日本ハム戦に向けて、きっと大きなプラス材料となるはずだ。
 
【了】

藤浦一都●文 text by Kazuto Fujiura

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