「本当に幸せ者」 DeNA三浦、引退会見で何度も口にしたファンへの感謝

会見の終盤で見せた涙、「あの応援があったからここまでやってこれました」

 通算172勝の勝ち星の中で、一番印象に残っているのは150勝の時だという。この時も、喜ぶファンの姿が嬉しかったと、当時の気持ちを語った。

「僕自身も嬉しかったですけど、ファンの方が喜んでくれているのを見て、僕も喜んでいたので思い出に残っています」

 会見の終盤、ファンへの一言を求められ「辛い時がいっぱいありました。もっと前に『もう引退かな。辞めないといけないのかな』と思うときがいっぱいありました。でも、2軍で1軍の試合のテレビを見ているとき、18番のユニフォームを着てスタンドで応援してくれている姿を見て『絶対あのマウンドへ戻るんだ』と思って、やってこれました。それだけ力を与えてくれました。あの応援があったからここまでやってこれました」と、“番長”の目から涙がこぼれた。

 ドラフト6位で当時の大洋ホエールズに入団。「球が速いわけでも、変化球があるわけでもないのに、よくここまでやってこれた」と、現役生活を振り返る。「卒業しない。できる限りやり続けたい」というトレードマークのリーゼント。プロに入った時は「もちろんプレーが一番だけど、それ以外に注目してもらいたい。目立ちたい。注目されないと使ってもらえない」という気持ちがあったそうだ。

 今後のことを聞かれると、「指導者という道も夢にはあるけれど、もっともっと勉強しないといけないと思います。将来的にはまた横浜に戻ってきたいと思います」と答えた。苦しい時を何度も支えてくれた横浜のファンの前に、リーゼントを決めた“ハマの番長”が戻ってきてくれる日が楽しみだ。

【了】

篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki

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