急逝マ軍右腕を忘れぬよう…米名物記者が「フェルナンデス賞」新設を提案

誰よりも野球を愛し、情熱を注いだフェルナンデスの魂を称える

 25日早朝(日本時間同日午後)に起きたボート事故で、わずか24歳でこの世を去ったマーリンズのエース右腕ホセ・フェルナンデス。愛くるしい笑顔と闘志をむき出しにしたピッチングスタイル、そして誰にでも分け隔てなく接した右腕の死は、メジャー全体を悲しみに包み込んだ。

 フェルナンデスとのさまざまな思い出話が、各方面から続々と届いているが、米スポーツ専門局ESPNの名物記者バスター・オルニー氏は、誰からも愛されたフェルナンデスを忘れぬよう、彼の名前を冠した「ホセ・フェルナンデス賞」を新設しよう、と提案している。

 記事では、キューバ出身のフェルナンデスと同郷のカージナルス捕手ペーニャとのエピソード、カブスのマドン監督が初めてフェルナンデスの投球を見た時、わずか1球で、いかにスペシャルな投手かコーチ陣に伝えたかというエピソードなどを紹介。さらに、9月14日(同15日)ブレーブス戦で、相手打者に死球を与えた後の打席で、頭部に危険球を投げられた当人のフェルナンデスが、両軍入り乱れる乱闘の中で仲裁役を務めたという逸話も織り交ぜながら、フェルナンデスが仲間からどれほど愛され、どれほど野球を愛していたかに触れている。

 デビューから4年目、わずか24歳ながら、球界やファンに与えたインパクトは大きい。そこでオルニー記者は、サイ・ヤング賞やMVPなどの賞を決めている全米野球記者協会(BBWAA)に対して、フェルナンデスの功績を称え、彼の存在を忘れないための賞「ホセ・フェルナンデス賞」を新設することを提案。対象となるのは「メジャー3年目以内の若手選手で、フェルナンデスを象徴する野球に対する楽しさと情熱、彼のプレースタイルやファンや仲間に対する接し方を継承していると認められた選手」としている。一例として、メジャー1年目当時のアルテューベ(アストロズ)や今季のベッツ(レッドソックス)、リンドール(インディアンス)らの名前を挙げている。

 こういった声がメディアから上がるのも、フェルナンデスが広く愛されていた証拠だろう。マーリンズは、フェルナンデスの背番号「16」を永久欠番にすると発表しているが、夭逝した右腕を偲ぶ動きは、今後もしばらく続きそうだ。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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