海外での野球振興を支援! 野球用具寄付を続ける西武の挑戦

東南アジア諸国にファンや選手が寄付した野球用具を届ける西武

 2020年の東京オリンピックで野球・ソフトボールが五輪競技に復活することが決まった。その前には2017年にWBC、2019年にはWBSCプレミア12と国際大会が控え、野球に対する世間の注目度が高くなっていくことが予想される。

 また、侍ジャパン(野球日本代表)の試合だけでなく、日本プロ野球界では多くのチームで観客動員数が増えて盛り上がりを見せている。だが、海外へ目を向けると、マイナースポーツという野球の立ち位置は今も変わらない。そこで、埼玉西武ライオンズでは2020年の東京オリンピック以降も野球が国際舞台でプレーされるよう、海外での野球振興の支援にも取り組むようになったという。

【野球用具が買えないアジア諸国の事情】

 アジア各国では野球を知っていても、野球用品が買えるお店がほとんどなく、また買えたとしても高価であり、野球をやりたくても簡単にできないというのが現状。野球振興がなかなか進んでいかないという。

 埼玉西武は2013年より、ファンから使用していない野球用具を回収し、海外の野球途上国へ寄付するという活動を続けてきた。この活動では、想いが詰まった用具を、夢を追いかける子どもたちの為に使ってもらうという主旨に賛同したファンから用具を回収し、海外へ届けている。

「愛用していたグローブなので、捨てるに捨てられないで取っていたのですが、用具が手に入らなくても頑張って野球を続けている子どもたちに使ってもらえるならと思い、寄付をしました」と、自身の想いを受け継いでもらえたらという気持ちで寄付する人も多いと担当者は語る。

 球団からも毎年1200球以上を寄付し、2016年を含む4年間で計2万点を超える用具を3か国へ寄付し、野球の振興を支援している。

 今年は、野球用具約3700点と運動靴約820点がファン、選手、球団から集められ、カンボジアを始めとするASEAN諸国(マレーシア、インドネシア、ベトナム、タイ※予定)へ寄付される。4年目を迎えたこのプロジェクトは、選手間での認知度も高くなってきている。栗山巧外野手など中心選手からも「海外の子どもたちに使ってもらえるなら」と用具が集まるようになり、選手も海外での野球の普及を応援している。9月25日の西武プリンスドームでのソフトバンク戦の試合前には、寄付された用具をファンに披露し、現地への輸送を見送る野球用具出発式を実施。大切な用具を載せたトラックがカンボジアへ向けて出発した。

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