【森脇浩司氏の目】森脇浩司氏が振り返るパCS第1ステージ 勝敗分けたポイントは?

ポストシーズンを勝ち抜くために不可欠な“ラッキーボーイ”の出現

 いずれも追い込み、投げ勝ったように見えるが“際の強さ”で明石が上回ったと思う。また、随所でその差が顕著に出たシリーズだったといえよう。

 クライマックスシリーズ、日本シリーズには必ずラッキーボーイの出現は必要不可欠だ。2連勝したホークスは不思議とチャンスに打席に回ってくる今宮が勝負強い打撃を見せた。

 実はエラー、四球、ヒット等の要素から相手が回してくれるのだ。初回の守備も今宮は抜群のポジショニングから落ち着いた動きでダブルプレーを完成させた。1点リードの8回1死満塁から放った2点タイムリーは、三塁手の頭を越える高くバウンドした打球で、初戦の三遊間を抜けていった勝ち越しタイムリーより、相手に与えるダメージは大きかっただろう。

 今宮はシーズン終盤に右肘を痛め今回のシリーズに出場できるかは微妙な状況だったと聞く。だが、強いチームのレギュラー遊撃手という自覚、気持ちの強さがプレーに出ていて上手さより強さが目立っていた。ここ数年間、攻守で存在間を見せた今宮をラッキーボーイといっては失礼だがCS第1ステージは素晴らしい活躍だった。先発・バンデンハーク、岩崎、スアレス、サファテと盤石な投手陣も素晴らしかった。2戦とも先制はされたが、1度も主導権を渡さなかった試合運びだった。

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