黄金期を支えたOB左腕が見る広島の強さ 投手陣を楽にさせた黒田博樹の教え

1991年日本シリーズで2勝を挙げた左腕OB・川口和久氏が見る広島の強さ

 今季圧倒的な強さを見せつけてリーグ優勝を飾った広島が、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージでも、その強さを遺憾なく発揮した。15日の第4戦は乱打戦を制し、1勝のアドバンテージを含む4勝1敗で、25年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。投打守すべてがかみ合ったように見える今季の広島だが、その強さの要因はどこにあるのか。25年前、1991年の日本シリーズでは第2、5戦に先発して2勝を収め、第6、7戦ではリリーフ登板も果たした広島OB左腕・川口和久氏に、2016年の広島が持つ強さについて聞いた。

――今年の広島は2位・巨人に17.5ゲーム差をつける圧倒的な強さを誇りました。

「今年は前田健太(現ドジャース)が抜けて、その穴を野村(祐輔)と福井(優也)というピッチャーが、2人で1つの穴を埋めることが必要だったんですけど、予想外に野村が最多勝(16勝)と最高勝率(.842)という活躍をした。3敗しかしなかったというね。先発陣は、黒田(博樹)を軸としてジョンソン、野村、そこに若い岡田(明丈)が入って、ベテランと若手が上手くかみ合いながら1年間いいバランスで戦ったと思いますね。もう1つ、投手陣が強かった要因として、ジャクソン、中﨑(翔太)という8回と9回を投げる投手が揃っていた。そこに今村(猛)、大瀬良(大地)もいて、若手たちがすごく成長したと思うんですよ。

 打線はね、1、2、3番の田中(広輔)、菊池(涼介)、丸(佳浩)っていうのが、みんな27歳なんですよね(※3選手とも同学年だが、菊池のみまだ26歳)。若手とは言わないけど、27歳といったら野球界では一番いい時期ですから。この1、2、3番が固定されて、出塁率、打率が高く、得点ができた。相手のピッチャーからしたら、彼らの印象は嫌なものですよ。この3人に新井(貴浩)が続いて、首位打者まではいかなかったけど鈴木誠也が3割3分5厘。これはある意味サプライズだったんだけど(笑)、カープにとっては将来楽しみなスラッガーがでてきたな、と。今年は投打、ベテランと若手のバランスが非常によかったですね」

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