ロッテ戦力外からメジャー昇格寸前へ 左腕激白「一発勝負」にかけた思い

来春はメジャーキャンプからスタートする可能性、「やることは明確なんです」

――インディアンスの村田投手は、昨年メジャーデビューして、オフには日本の球団が興味をもっているという話もありましたが、アメリカで続けることを選びました。

「村田さんとは地元も一緒で、お会いしたことはないですけど、知り合いを通じて連絡先を交換して、よく連絡を取っていました。村田さんも多分、同じじゃないでしょうか。もちろん、メジャーに一回上がったし、そこまで行くレベルに来ている。自分はメジャーで投げられると思っているでしょうし。そこで日本のプロ野球界とMLBとどっちが上かといったら、それはMLBが上ですよね。そこで投げられるチャンスがある。やっぱりどっちで投げるのがベストなのかとなると、メジャーのマウンドがいいですよね。あとは、アメリカでやったからって、日本で100%抑えられるかといったら、そういうことじゃない。それも含めたら、そう思ってるんじゃないですか。僕はそういう感じです」

――正式には、もうちょっと話が出揃ってから決めるという感じでしょうか?

「そうですね。Dバックスはシーズンが終わったんで、ここから話が来ると思いますし。日本はまだ日本シリーズがあるので。ただ、たかが1年、たかが3Aで13試合なので、それで日本から話が来るとはあまり思っていません。みんなから『日本に戻ってくるの?』とか言われますけど、実際にそんな話ももらってないですし。日本の球界に戻れるのであれば、家族もいますし、楽しくできますし、楽だし、と思いますけど、絶対にそんな話はないので。今のところは来年も契約してくれるというDバックスでやろうと思っている状態ですね」

――来年の春はメジャーキャンプに招待選手で参加する、という可能性も高いと思いますが?

「エージェントの方からは、球団から聞いた話として『メジャーキャンプから』とは言われてるんですけど、実際に球団からは聞いていないです」

――それでも、1年前から考えられないところまで来ました。

「本当に考えられないですよ。メジャーに行っていたら、本当にとんでもない大どんでん返しでした。だから行きたかったんですよ」

――メジャーまであと1歩です。

「でも、ここでメジャーに行かなかったというのは、まだまだなんですよ。と、僕は思ってるんです。プラスに考えています。また来年、勝負をかけるためなんだと思っているんです。すごくいい選手をメジャーに上げるのであれば、どんな事情があっても、フロント全員が『じゃあ中後を上げよう』となっているじゃないですか。何かが足りなかったというか、まだまだインパクトを与えられていなかったと思っているので、来年もアメリカで野球をするのであれば、また首脳陣、フロント側にガツンとアピールしたいです。

 また来年、1からスタートなんです。やることは明確なんですよ。左バッターの内角にツーシームやシュートを投げられたらベストなので、それはずっと練習してますし。リセットして、しっかり練習して。『去年、メジャーに上げるか上げないか悩んだピッチャーだな』と思ってもらえるように。『あの時、逆に上げなくてよかったな』と思われたいんです。秘密兵器みたいな感じで。『今年からこいつを使おう』と思われるようなアピールがしたいですね」(続く)

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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