2連勝の広島は「ものすごく強かった時の状態」に 勝敗を分けた配球の差

第3戦は札幌に舞台を移すも…広島先発は黒田「選手は負けられないと思っているはず」

「エルドレッドにとっては、あそこはホームランコースです。高めに投げるのは百歩譲って悪くないですが、それならばインコースに投げないといけない。アウトコースになれば、エルドレッドのホームランコースです。日本ハムバッテリーはそれをしっかり分かっていたかどうか。ただ高めに投げていたのかもしれない。つり球を使うなら、しっかりコントロールしないといけません。あれだったら、外に逃げていくスライダーの方がエルドレッドは打ち取れます」

 この試合では、この不用意な一球が命取りとなってしまった。

 2連勝で広島が圧倒的有利になったことは間違いない。野口氏は「私も阪神時代の2003年に経験していますが、『内弁慶シリーズ』というのもあります。2連勝したチームが敵地に行くと急に静かになってしまうことがある。2003年は1、2戦と福岡でやられましたけど、ダイエー(当時)は甲子園で急に静かになった。こちらは甲子園で3連勝して息を吹き返して福岡にいったつもりが、また6、7戦とやられてしまった。そういうこともあります」と振り返りながら「ただ…」と続けた。

「広島の第3戦の先発は黒田です。広島の選手は、負けられないと思っているはず。現役最後の登板になるかもしれない黒田を負けさせるわけにはいかない。マツダと同じように来るはずなので、逆に日本ハムはそれを覚悟していないと。短期決戦は本当にちょっとしたことで流れが変わるので、まだ分かりませんが…」

 絶対的な存在である黒田が『内弁慶シリーズ』となることを許さず、快投で3連勝を飾れば、広島は一気に王手。日本ハムは崖っぷちに追い込まれることになる。黒田が投じる1球1球からも目が離せない。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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