刺激し合った3年の歳月 伝説の決勝投げ抜いた田口麗斗&山岡泰輔が紡ぐ物語

お互いの試合を注目し続けてきた2投手

 その年のドラフト会議で田口は巨人にドラフト3位指名を受け、一足早くプロへ。山岡は3年後のプロ入りを目指し、東京ガスに進んだ。「僕にとってはとても刺激になる存在です」と田口。山岡も「早く田口に追いつけるように頑張りたい」とそれぞれの道を歩み始めた。

 田口は昨年4月の東京ドームでのヤクルト戦で先発し、2年目でプロ初勝利を飾った。7回を投げて被安打5の1失点。自らのバットで内野安打ながらもタイムリーを放った。走者を出しても粘りのピッチング。完璧じゃなくても、がむしゃらだった。

 その試合を、今度は社会人2年目になっていた山岡がスタンドで見ていた。「アイツらしい勝ち方だった思います」と2年前の夏の投げ合いを思い出しながら、一生懸命にバッターを抑え込む気迫の田口の投球に刺激を受けていた。

 今年も田口が休養日を利用して、山岡の社会人の試合を見に行く姿があった。伝説の広島決勝の試合は有名だが、その後も関係性は続いている。お互いにいつも刺激し合いながら、ステップアップしている2人。世代を代表する2投手はこれからいくつもの熱戦を演じていくだろう。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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