「障害」を未然に防ぐために―宮城県で実技講習会「プロはなぜ壊れないのか」

野球で「障害」を起こしやすいのは腰&肩&肘、未来につなげてほしい知識とは

 野球をする上でケガはつきものだ。捻挫や骨折、打撲、肉離れといった練習や試合中のアクシデントなど、外力によって発生するケガは「外傷」といわれる。それに対し、無理な体の使い方をしたり、使いすぎたり、スポーツを継続する中で特定の部位に繰り返しの負荷が加わることによって発生するのが「障害」だ。

 野球の場合、「障害」を起こしやすい体の部位は腰、肩、肘。「外傷」は不可抗力で起こることが多いが、「障害」は正しい知識を得て体の使い方を覚えたり、トレーニングやストレッチをしたりすることで未然に防ぐことができる。

 宮城県高野連北部地区では6日、15校の部員約230人が参加し、中新田高の体育館で実技講習会が開かれた。例年は社会人野球チームによる野球教室で技術を習得してきたが、今年は宮城県内の医療関係者を招き、午前中は障害に関する講演を聞き、午後からはストレッチ・トレーニング指導と検診が行われた。

 自分の体に関する知識を得て、未来にもつなげてほしい――。そんな願いを込め、開会行事の中で築館高・利根川直弥監督は「高校野球ができる時間は約2年半と限られています。その限られた時間の中で障害によって野球ができないというのは寂しい。限られた時間で高校野球ができるように。また、(卒業後の)次のステージでも野球ができるように。そして、いずれは地域の子どもや自分の子どもに野球を教えるなど、様々な形で野球に関わると思うので、自分のためというのはもちろんのこと、将来にも役立ててほしいと思います」と選手たちに話した。

「プロの選手は速いスピードで体を動かしていますが、生身の人間。みんなと同じ体です。では、なぜ、壊れないのか。それは、理にかなった体の使い方をしているからです」

「野球用語と障害」と題し、講演したのは東北労災病院の整形外科医・黒川大介氏。例えば、野球でよく使われる「球が伸びる」や「体が開く」「腰を回す」「胸を張る」とはどういうことか。プロ野球選手の体の使い方が分かる写真や高校生の投球動作を撮影した動画などを用いながらわかりやすく説明した。

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