西武“守護神”高橋朋、復帰への第一歩 1年1か月ぶりに打者を立たせて投球

左肘手術で離脱中の左腕が西武二軍球場で全30球、常時140キロも「ぼちぼち」

 昨年7月に左肘内側側副靭帯再建手術(トミー・ジョン手術)を受け、長期離脱中の西武の守護神・高橋朋己投手が16日、術後初めて、打者を立たせての投球を行った。

 西武第二球場のマウンドで、プロ2年目の右打者・山田遥楓、左打者のルーキー鈴木将平の2人を相手に、それぞれ4打席ずつの勝負。最速143キロを計測した直球をベースに、スライダー、スプリットの変化球を交えて全30球の投球となった。

 昨シーズン中の4月19日・日本ハム戦での登板で左肘痛を発症してから、約1年1か月ぶりの打者を立たせてのピッチングに、「ぼちぼち」と高橋。それでも、「やはり、打者を相手にすると、ついついスイッチが入ってしまいますよね」と、最初の20球あたりまで常時140キロ前後を計測した力投に、笑顔を浮かべた。

 もともと、「投げることが大好き」と言う投手にとって、“投げられない”日々は、とてつもない苦悩だったことは言うまでもない。それでも、一刻も早く復帰したいとのはやる気持ちと戦いながら、紆余曲折を経て、一歩ずつ、ここまで回復を遂げてきた。「今日投げて、明日、腕がどんな反応を見せるか次第」と、今後については未定ではある。だが、復活へのステップは着実に進んでいる。

 マウンドを降り、筋トレルームへと向かう左腕守護神の表情は、ここ1年の中で一番明るく見えた。

【了】

上岡真里江●文 text by Marie Kamioka

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY