メジャー挑戦の大谷翔平、恩師・栗山監督に「監督を超えて感謝している」

日本ハム・大谷翔平【写真:細野能功】
日本ハム・大谷翔平【写真:細野能功】

チームカラーの青いネクタイ「ファイターズへの感謝の思い」

 日本ハム大谷翔平投手は11日、日本記者クラブでの会見に臨み、“二刀流”として5年間育て、ポスティングシステム(入札制度)を利用したメジャー挑戦を容認した日本ハム関係者へ感謝の言葉を、繰り返し何度も述べた。

 会見の冒頭「ファン、栗山監督、コーチ、チームメート、球団の方々と色々な人に支えられ、5年間、感謝しかない。球団や日本球界に恩返しできたかわからないが、これからもそういう気持ちで頑張っていきたい」と語った。栗山監督への思いを聞かれると「感謝は全ての部分。監督(という存在)を超えて、感謝している部分が多い。栗山監督じゃなかったら、ファイターズにお世話になってなかった部分は、少しはある。これからもご指導いただける部分はあると思うので、いろいろ話をさせていただきたい」とゆっくりと言葉を噛みしめるように話した。

 メジャー挑戦となると、監督を筆頭にフロント、トレーナーと二刀流実現を支えてきた「チーム大谷」がいなくなるが、その危惧には「いつまでも頼ってばかりも違うのかなと思う。そこを含めての挑戦かな。代理人も決まったので、一緒になって取り組みたい」と、代理人を務めるCAAのネズ・バレロ氏を中心に新たな挑戦に乗り出すと決意を語った。

 花巻東高を卒業後、直接アメリカに行く道もあった。だが、日本ハムを選んだことに悔いはない。前日球団に改めて自分の意思を伝えた時に声を掛けられ、「球団からも決して遠回りじゃなかったと言われたし、僕も間違いじゃなかったと思う」ときっぱり言い切った。

 この日の朝、会見に出掛ける時は緑色のネクタイをしていたが、会見では青色のネクタイに変わっていた。ネクタイに込められた意味を聞かれると「ファイターズへの感謝の思いもあって、この色にしたいと思いました」と、新たな一歩を踏み出す決意表明の舞台で、お世話になった球団のチームカラーを身につけたことを明かした。

 最後は、球団関係者や野球関係者、メディアなど、これまで関わりのあった全ての人、そして亡き愛犬エースにも感謝の気持ちを伝えた。感謝に始まり、感謝に終わった会見。23歳という年齢以上に落ち着いた対応に、この5年間に野球選手としてはもちろん、人間としても大きく成長した足跡が見えたようだった。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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