【パ・リーグお仕事名鑑】元ロッテ・里崎氏が追う球団社長への道 「死ぬまでにできたら僕の勝ち」

忖度ナシ!思ったことを直球で伝える

 数多く解説者がいる中で、それぞれの捉え方や野球観を楽しみながら中継を観るファンも多いだろうが、里崎氏のオリジナリティーは、やはり歯に衣着せぬストレートな物言いだろう。

「僕はその時に思ったことを言うだけ。こんなこと言っていいのかな? なんて気にすることはないですね。ユニフォームを着ている人たちに忖度する必要はありません。もし彼らが褒めてほしいのであれば、いいプレーをすればいいだけ。僕が考えなくてはいけないのは、僕を解説者として使ってくれているテレビやラジオ、インターネットの放送局の方々と、その先にいる視聴者やリスナーの方たちのニーズに応えられているかだけです」

 解説が終わった後は、エゴサーチするのが日課。ただ、それは“通信簿”としてリアクションを確認するだけで、それによって自分のスタンスを変えることはない。

「こんなことを言うとこういうリアクションがあるんだな、これが響くんだな、と。確認作業みたいなものですね。返信は一切しません。たとえ批判的なコメントがあっても全然気にしないです。批判は賞賛の裏返しだと思っていますから。『この人、オレのこと気になってしょうがないんだな』って思うだけです(笑)」

 引退してしばらくすると、コーチや監督就任を望む声が出てくることもあるが、里崎氏は再びユニフォームを着ることに一切興味がないという。なりたいのは「球団社長」だ。イメージしている球団はもちろん、古巣であるマリーンズ。

「元選手が球団社長になるって、誰もやったことがなくて面白そうじゃないですか。ビジネスパーソンとして考えた場合、今の僕には経験がないのでアドバンテージはゼロかマイナスですけど、プロ野球の現場のアドバンテージはある。反対に、本社から来る人はビジネスパーソンとしてのアドバンテージはあるけど、野球のアドバンテージはゼロで、それが今後プラスになることはない。もし僕がしっかり勉強すれば、ビジネスパーソンとしてアドバンテージを持てる可能性はある。つまり、ビジネスと野球の両方でアドバンテージを持つポテンシャルがあるということ。それが、僕の強みになるはずです」

 もし球団社長になったら、どんな改革を起こすのか。思ったことをストレートに発する里崎節は、球団社長になっても変わらないようだ。

「人に媚を売って意見しない人や能力のない人には辞めてもらいたいですね。面接する時には、『自分がこの球団で働くようになったらチームはどう変わるのかプレゼンしてください』と言います。一社員であってもビジョンを持つことは大事。ただ、そのビジョンが漠然としていたら意味がない。きちんと具体化していないと。具体化したビジョンさえしっかりあれば、僕とまったく意見が違っても構いません。ただし、結果は出してもらいますけどね。プレゼンしたということは、それが自分のノルマになるということです」

誰もやったことのない挑戦に「これは死ぬまでの夢です」

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