西武渡辺SDがFA取得済みの内海を選んだ理由 「移籍することになっても…」

西武入団会見に臨んだ内海哲也(左)と渡辺久信シニアディレクター【写真:荒川祐史】
西武入団会見に臨んだ内海哲也(左)と渡辺久信シニアディレクター【写真:荒川祐史】

起用法については「先発として考えています」

 FAの人的補償選手として、巨人から西武への移籍が決まった内海哲也投手について西武・渡辺久信シニアディレクターは「巨人からのリストを見たとき、真っ先に彼(内海)を推薦しました」と、内海獲得が即決だったこと口にした。

 優勝旅行前には辻監督に内海獲得を提示していたことを明かし「若手投手が多い中で、経験豊富な投手が欲しかった。自分も現場の経験があるが、現状の戦力を見たときに、先発・即戦力・左腕が欲しいとなるだろうと思っていたので、巨人からのリストを見たとき、真っ先に彼(内海)を推薦しました」。

 チームは戦力として高い評価をしており「一番は『今年の内海は良かった』ということ。去年はファームでも打ち込まれていたが、今年は投げる試合である程度の仕事はできていた。ボールのキレ、コントロールが実際に自分が見ていて良かったと思った」と太鼓判を押した。

 また、巨人で長年エースとして活躍した経験も今の西武には必要と感じている。

「巨人で15年。長いこと主力としてやってきていますし、あと少し(31イニングス)で2000投球回にも到達する。それだけ1軍で活躍してきたということは、すごく大きなこと。うちは本当に経験の浅い投手が多いので、内海のいろんな経験をしっかり伝えて欲しい。ここ数年、リーダーシップを取れる投手がなかなか見当たらなかったので、内海投手は最適な人材だと思っています」

 ただ、内海はFA権を取得しており1年でチームを離れる可能性もあるが、「もちろんそこは認識している。でも、彼が1年間しっかり仕事をしてくれれば、移籍することになっても獲得した意味はある」と、意に介さない。常勝軍団を築いていくためには、実績あるベテランの存在が不可欠。常に優勝を義務付けられてきた巨人のエースとして、チームを支えてきた内海の存在を間近に見ることで、リーグ連覇と日本一を目指す西武の若い選手たちの、大きな教材となることは間違いない。

 昨年の投球内容を評価している渡辺SDは「(今年は)5勝って、皆さんは今までの内海くんがすごかったから『少ないな』と思うんでしょうが、チームにとって『5勝』するピッチャーって貴重」と、付け加える。

「先発として考えています。大車輪の活躍をしてくれれば嬉しい。年齢の話が出ているが、そこは関係なく、しっかり1年間やれる気力と体力があれば、ローテの中心で回っていけると思いますし、いろんな部分でいい刺激を与える投手だと思っています。自主トレ、キャンプでしっかり体を作って、まずは勝負できる状態で来て欲しいと思います」と新戦力左腕に大きな期待を寄せた。

(岩国誠 / Makoto Iwakuni)

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