【ドラフト】佐々木朗希 早くもロッテと相思相愛 井口監督の熱い思いにテレビ越しに“ペコリ”

ロッテが交渉権を獲得した大船渡・佐々木朗希【写真:編集部】
ロッテが交渉権を獲得した大船渡・佐々木朗希【写真:編集部】

緊張から抽選終わるまでは表情に変化なし ロッテ確定後は声のトーン上がる

「2019年 プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」は17日、都内のホテルで開催され、今ドラフトで最大の目玉とされた大船渡の最速163キロ右腕・佐々木朗希投手はロッテが交渉権を確定させた。抽選が終わるまで中継映像のモニターを見ていた佐々木は表情を崩さなかったが、ロッテに決まると安堵の表情。井口監督からの熱いエールを受け取ると、テレビの向こう側の指揮官に小さく“ペコリ”と頭を下げ「期待に応えられるように頑張りたいです」と言葉を弾ませた。

 指名後の記者会見は学校でなく、334名収容できる大船渡市内の公民館。佐々木の運命の瞬間を見ようと、野球部員、保護者、学校関係者らが見守った。報道陣を合わせると、200人を超えていた。ドラフト開始の約30分前に部員らと到着した佐々木の表情は確かに強張っていた。

 まずは日本ハムが最初に入札。そしてロッテ、楽天、西武。指名されるたびに拍手が起こり、場内の熱は帯びていった。4球団抽選の末、ロッテが交渉権を獲得すると、ようやく佐々木の表情が緩んでいった。

「ホッとしています。どこの球団になるのかなという風に思っていました」

 視線の先にはテレビに映る井口監督のインタビュー。「けた外れの凄い選手」「世界に羽ばたける選手」「千葉を一緒に盛り上げて行きましょう」と熱いメッセージが届いた。中継映像が終わると、佐々木は指揮官に向かって、自然と小さく頭を下げていた。監督にはもちろん見えてはいないが、心に響いた言葉であったことは間違いない。

 井口監督については日本だけでなく、メジャーでも活躍されていた選手と認識。「(4球団指名に)高い評価していただいて光栄に思います。期待に応えられるように頑張ります」と佐々木は声のトーンを上げた。「しっかりと目標を立てて、1つずつ、目標をクリアし、成長して、最後は日本一の投手に、チームを優勝に導けるような投手になります」と力強く宣言。「12球団で一番応援がすごいかなという印象」とファンの熱量も声援も耳に届いている。「嬉しさですか? 100パーセントです!」と早くもロッテへの愛をにじませた。新たな怪物伝説の舞台となる千葉については「浜風に気を付けたいです」とマリンの風を意識したリップサービスも飛び出し、会場に笑い声も響いた。

 故郷を後にする寂しさはあるかと問われれると「少しあります」とポツリ。「一生懸命プレーすることが、一番の恩返しだと思います。自分の活躍する姿を届けて元気になってくれれば」と、岩手を思いながら、プロへの道を歩んでいく。小さい頃からの夢をつかんだ佐々木は故郷に限らず、野球少年たちに「しっかり目標を持って頑張ってほしい」とエールを送った。指揮官の期待、地元の喜び、ロッテファンの夢を乗せて、佐々木は大きな一歩を踏み出した。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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