鷹・工藤公康監督が退任会見 辞任決断は10月初め「敗戦の責は将が負うもの」

退任会見に臨むソフトバンク・工藤公康監督【写真提供:福岡ソフトバンクホークス】
退任会見に臨むソフトバンク・工藤公康監督【写真提供:福岡ソフトバンクホークス】

「やれること、行動すべきことがあった、それをやりきれなかった」

 今季限りで退任するソフトバンクの工藤公康監督が27日、本拠地・PayPayドームで退任会見を行った。在任7年間で4年連続を含む5度の日本一に輝いた名将は「やはり敗戦の責は将が追うもの」と、就任後初のBクラスとなる4位に低迷した責任をとって職を辞すことを決めたと明かした。

 球団からは続投要請を受けていたものの、低迷に責任を感じていたという工藤監督。チームが8連敗を喫した10月初めに辞任を決断したといい「やれること、行動すべきことがあった、それをやりきれなかった思いが日に日に増してきたのは事実です。チームが再スタートする上でも、責任を取るべきだと思って、会長には『申し訳ありません』と。責任は私にあるので、責任をとる形にしたいと申し上げました」と明らかにした。

 2015年に監督に就任した工藤監督は1年目にリーグ連覇、2年連続の日本一を達成。その後も常勝軍団を構築し、6年間でリーグ優勝3回、日本一5回、4年連続での日本シリーズ制覇と輝かしい成績を残した。ただ、今季は序盤から故障者、離脱者が相次ぐ誤算もあり、7年目で初めてとなるCS進出を逃すことに。今季最終戦となった25日のロッテ戦を終えて60勝62敗21分で、初の借金でシーズンを終えた。

 7年間で3度のリーグ優勝、5度の日本一という成績は輝かしいもの。7年間を振り返った工藤監督は「僕自身は力があるとか思っていません。選手に支えられ、周りの皆さんに支えられ、そして1番の心の支えはファンの皆さんでした。皆さんに勝って報告できることにワクワクし、何よりも嬉しく思い、ずっとやってきたつもりでいます」と感慨深げに語った。

 そして「僕にとっては選手が全て。選手に支えられていると思いました。そして、球団の方だけでなく、働いている方、警備をされている方、グラウンドキーパーの方たち、食堂の方たちも全てが僕の支え、活力でした。ああいう人たちのために精一杯のことをやらないといけない、と。あとはこの2年、特に感じているのはファンの声援がいかに選手の力になっていたか。プロ野球の1番大切にしないといけないものなんだと改めて感じた。ファンの皆さんには心から感謝申し上げないといけない」と、支えてくれた全ての周囲の人への感謝を口にしていた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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