侍ジャパン、阪神に敗戦も収穫あり 合流即ヒットの青木も好感触「すごく前向き」

2017.3.4

第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)で2大会ぶりの世界一を目指す野球日本代表「侍ジャパン」は3日、「アサヒスーパードライ プレゼンツ 侍ジャパン壮行試合」で阪神(19時開始、京セラドーム)と対戦し、2-4で敗れた。苦しい試合展開となったが、WBCに向けて明るい材料も。2日にチームに合流した青木宣親外野手(アストロズ)は早速、「1番・中堅」でフル出場し、1安打をマーク。7日の1次ラウンド初戦・キューバ戦(東京ドーム)に向けて、準備は着々と進んでいる。

写真提供=Getty Images

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7日のキューバ戦への準備着々、「2番手以降のピッチャーはよかった」

 第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)で2大会ぶりの世界一を目指す野球日本代表「侍ジャパン」は3日、「アサヒスーパードライ プレゼンツ 侍ジャパン壮行試合」で阪神(19時開始、京セラドーム)と対戦し、2-4で敗れた。

 先発の武田翔太投手(ソフトバンク)が2回3失点と乱調で、苦しい試合展開となったが、WBCに向けて明るい材料も。本番を想定した小久保裕紀監督の継投策で救援陣が上々のリレーを見せ、打撃不振だった5番の中田翔内野手(北海道日本ハム)がソロ本塁打を放った。さらに、2日にチームに合流した青木宣親外野手(アストロズ)は早速、「1番・中堅」でフル出場し、1安打をマーク。7日の1次ラウンド初戦・キューバ戦(東京ドーム)に向けて、準備は着々と進んでいる。

 先発の武田は初回から直球が高めに浮き、阪神打線につかまった。2回までに53球を要し、4安打3失点1奪三振2四球。当初から、この日の阪神戦、5日のオリックス戦では本番を想定した継投策を見せると話していた小久保監督は、ここで交代に踏み切り、牧田和久投手(埼玉西武)を投入した。

 すると、牧田が2イニング、平野佳寿投手(オリックス)、増井浩俊投手(北海道日本ハム)、松井裕樹投手(東北楽天)が1イニングを無失点に抑え、ゲームを立て直していく。8回は岡田俊哉投手(中日)をワンポイントで使い、秋吉亮投手(東京ヤクルト)にスイッチ。守護神最有力候補のサイド右腕が1失点を喫し、リードを2点に広げられたが、「投手力」が日本の最大の強みと言い続けてきた小久保監督は確かな手応えを感じていた。

「2回3失点だったので追い上げる形になってしまいましたけど、武田は前回のホークス戦(2月25日の練習試合・ソフトバンク戦)よりは悪かったなと思います。ただ、その後の投手陣は、1点は取られたけど、牧田にしろ平野にしろよかった。2番手以降のピッチャーはよかった」

中田は待望の初アーチ、青木は合流翌日の試合でヒット

 勝利にはつながらなかったものの、この粘り強さも日本の長所の1つだ。それだけに、一方的な展開になりかけながらも継投策でつなぎとめたことで、意味のある敗戦になったと言える。

 そして、打線では指揮官が信頼を寄せ、我慢強く起用し続けてきた中田が復活のアーチを描いた。実戦3試合で10打数1安打とバットが湿っていたが、この試合では7回に阪神3番手メンデスからレフトスタンドへ豪快な本塁打。主砲は「当たり自体は打った瞬間(入ったと思った)。しっかりと待てて、自分のスイングが出来ました」と満足げに振り返った。

 小久保監督が常々、口にしてきたのは、4番の後を打つ5番の重要性。WBCでは筒香嘉智外野手(横浜DeNA)を4番に「固定」し、中田に5番を任せることを決断した。それだけに、ここまでの不調は気がかりだった。「苦しい中、ああいうホームランは効果がある。彼には筒香の後をしっかりやってもらわないといけない」。指揮官にとってもまさに待望の一発となった。

 チーム唯一のメジャーリーガーの青木も2打席目にセンター前ヒット。高い打撃技術で、いきなり結果を残した。2度の世界一経験者として、選手への影響力は大きいが、青木自身も「すごく元気があったし、明るかった。すごく前向きに、みんな声も出てるし、ベンチの雰囲気は良かった」と小久保ジャパンの空気に好印象を抱いたようだ。

 WBC開幕までに残された実戦は、5日の強化試合・オリックス戦(京セラドーム)のみ。ここまでの実戦4試合は1勝3敗で、すでに本番前は“負け越し”が決まったが、着実にポジテイブな要素は増えている。この試合で手にした“収穫”も必ず本番に生きてくるはずだ。
 
【了】

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