侍ジャパン、14日にキューバと“再戦” 初戦で勝利も難敵、野球大国の「情熱は今も」

2017.3.13

野球日本代表「侍ジャパン」は14日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)の2次ラウンド第2戦・キューバ戦に挑む。

写真提供=Getty Images

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2次ラウンドも白星発進の日本、先発は菅野が濃厚&救援陣も好調

 野球日本代表「侍ジャパン」は14日に第4回ワールド・ベースボール・クラシック™(WBC)の2次ラウンド第2戦・キューバ戦に挑む。

 日本は12日のオランダ戦を延長11回タイブレークにもつれ込む熱戦の末に8-6で勝利。2次ラウンドも白星発進とし、開幕から無傷の4連勝を飾った。キューバとは7日のWBC初戦でも対戦し、11-6で勝利している。だが、相手は12日の2次ラウンド初戦でイスラエルに敗れており、日本にも負ければ決勝ラウンド進出は絶望的となる状況だけに、決死の覚悟で臨んでくる可能性が高い。

 小久保裕紀監督は、2次ラウンド開幕前日の11日の公式記者会見で「とにかく明日(12日)。明日が大事。明日のことばかり考えています」と強調していた。それだけ、オランダ戦にかけていた。実際に9人の投手をつぎ込む執念の継投を見せ、最後は総力戦で勝利。ただ、キューバ戦は中1日となるだけに、選手はしっかりと疲労を回復してから臨めるはず。大会規定で50球以上を投げた投手は次回登板まで中4日以上を明けなければいけないが、オランダ戦の最多は石川歩投手(千葉ロッテ)の49球で、全員が起用可能だ。

 先発は8日のオーストラリア戦で先発した菅野智之投手(読売)が濃厚。前回登板は4回1/3を4安打1失点4奪三振と好投し、チームの勝利に大きく貢献した。エースとしての仕事を果たし、試合後には「いいステップとしてまた次に臨みたいと思います」と手応を示していただけに、期待が持てる。

 また、オランダ戦では平野佳寿投手(オリックス)、千賀滉大投手(福岡ソフトバンク)、秋吉亮投手(東京ヤクルト)、増井浩俊投手(北海道日本ハム)、牧田明久投手(埼玉西武)ら救援陣が好投。大会前の実戦や、初戦のキューバ戦では乱れていたが、安定感が出てきた。

キューバ指揮官は日本を「優勝候補」と絶賛も…「我々は常に勝利に向かって戦う」

 小久保監督は「ある程度、(中継ぎ陣の)役割が分かってきたのもある。後ろのピッチャーにこういう形で行けばというのが見えてきて、準備もしやすくなったと思います」と、好調の理由を明かす。ブルペンが計算できることで、菅野も精神的に楽にマウンドに上がれるはずだ。また、中田翔内野手(北海道日本ハム)が3試合連続本塁打を放つなど打線も好調で、日本の強みは多い。

 対するキューバはアルフレド・デスパイネ外野手(福岡ソフトバンク)が2試合連続本塁打と好調。ただ、イスラエル戦ではチーム全体でわずか5安打に抑え込まれ、6回以降は救援陣が5四球(敬遠1つを含む)を与えて3失点とピッチャーも乱れた。先発投手も含めて計7四球を与えており、カルロス・マルティ監督も「このレベルの試合で7四球はあまりに多すぎる」と指摘。日本の打線も相手の制球の乱れをしっかり得点につなげたいところだ。

 マルティ監督は日本戦について「とても重要な試合」と言う。侍ジャパンには一目置いており、「このWBCで優勝候補の一角。弱点のないチーム。守備はいいし、強打の打者もいる。ピッチャー陣も素晴らしい。私たちもそれをよく知っている」と絶賛する。ただ、当然、連敗するわけにはいかない。「我々は常に勝利に向かって戦う」。闘志は衰えていない。

 かつて野球大国の名を欲しいままにしたキューバだが、近年は有力選手が次々と亡命してメジャーリーグに挑み、力は落ちていると指摘される。ただ、キューバを破ったイスラエルのジェリー・ウェインスタイン監督は、実力を高く評価する。

「私は1980年代に、キンデラン、リナレス、メサといったキューバの名選手を教えていたことがある。彼らの情熱は今のチームに受け継がれていると思います。私は今でもキューバ代表に尊敬の念を抱いている」

 日本との1度目の対戦も中盤まではどちらに転ぶか分からない接戦だった。キューバは野球大国としての誇りをかけて臨んでくるだけに、決して油断はできない。仮に敗れるようなことがあると、日本は15日のイスラエル戦は絶対に負けられない状況で戦わなくてはならない。1勝1敗となって、勢いに乗るイスラエルと勝利が必須という条件で第3戦を戦うのは避けたいところだ。

 キューバに勝って5連勝を飾り、4大会連続の準決勝進出へ近づけるか。侍ジャパンにとって絶対に負けられない試合が続く。

【了】

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