色褪せぬ松井秀喜氏の功績 「ヤンキースが手放すのが早すぎた選手」に選出

ヤンキースで活躍した松井秀喜氏【写真:Getty Images】
ヤンキースで活躍した松井秀喜氏【写真:Getty Images】

米メディアが「手放すのが早すぎた10選手」に選出「大きな過ちだった」

 メジャー随一の27度の世界一を誇るヤンキースでは、これまで多くの日本人選手がプレーしてきた。現在は田中将大投手が先発ローテーションの軸の一人として活躍中。昨年のプレーオフでは圧巻の投球の連続でリーグ優勝決定シリーズ進出の立役者となった。

 米メディア「ザ・スポーツ・スター」では、そのヤンキースについての特集記事を掲載。タイトルは「ニューヨーク・ヤンキースが手放すのが早すぎた10選手(そして、手放すのが遅すぎた10選手)」。全20選手の中に日本人は3人も登場する。

 まず「手放すのが早すぎた選手」で名前があがったのが、松井秀喜氏。2003年にフリーエージェント(FA)でヤンキースに加入した松井氏は、ヤンキースタジアムデビュー戦で満塁弾を放ち、ニューヨークのファンの心を鷲掴みにした。2005年オフには新たに4年契約を結んで残留。その後は負傷に苦しむシーズンもあったもの、契約最終年の2009年に9年ぶりの世界一に貢献し、ワールドシリーズMVPに輝いた。ワールドシリーズでの打撃成績は打率.615、3本塁打、8打点と圧巻の活躍。世界一を決めた第6戦では、ワールドシリーズタイ記録の6打点をマークした。

 記事では「ニューヨーク・ヤンキースの選手として、外野手ヒデキ・マツイはワールドシリーズを制覇し、オールスターに2度選出された。2009年、彼はピンストライプのユニホームでキャリアの最盛期を迎えた。彼はヤンキースがチャンピオンになることに貢献しただけでなく、その過程で日本人選手として初めてのワールドシリーズMVPを獲得した」と、その功績を紹介。そして、ワールドシリーズ終了後のオフの動きについて振り返っている。

「あなたはヤンキースがマツイをチームに残すためにあらゆる努力をすると思っただろうが、彼らは彼を手放し、彼はニューヨークを去ってエンゼルスと契約した。彼はファンのお気に入りだったし、間違いなく実力を備えた勝者であった。彼を早く手放したのは大きな過ちだった」

 ヤンキースはFAとなった松井氏と再契約しなかったが、その判断は「大きな過ち」だったと指摘している。翌シーズン、エンゼルスの一員として敵地ヤンキース戦で“凱旋”した松井氏が、ワールドチャンピオンのリング贈呈式で敵軍の選手ながら名前をコールされると、元同僚やニューヨークのファンが祝福。グラウンド上で親友のジーターらと次々とハグをかわす感動的な場面となった。松井氏はその後も現役選手として古巣の本拠地を訪れるたびにスタンディングオベーションを浴び、引退後もイベントなどで登場すると大きな拍手を送られている。現在、ヤンキースのGM特別アドバイザーを務めるが、ニューヨークでの人気は絶大だ。

「手放すのが遅すぎた選手」には…「イガワは16試合に先発しただけ」

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