最速123キロ女子中学生・島野愛友利 夢は「もう1度、男子と戦いたい」

昨夏のジャイアンツカップで優勝投手となった島野愛友利さん【写真:荒川祐史】
昨夏のジャイアンツカップで優勝投手となった島野愛友利さん【写真:荒川祐史】

ジャイアンツカップで優勝投手となった島野愛友利「誰もが成し遂げていない数字を残さないと」

 女子野球界の将来を背負うかもしれない一人の少女が寒風が舞うグラウンドでトレーニングを続けている。中学硬式野球の頂点を決める昨夏のジャイアンツカップで優勝投手となった島野愛友利(あゆり)。ボーイズリーグ「大淀ボーイズ」で女子選手として初の背番号「1」を背負った右腕は高校進学の決意、そして将来図を語ってくれた。

 昨年、最速123キロを投げ男子が中心の中学硬式野球界で世間から注目を浴びたのはここで語る必要もないだろう。卒団後も河川敷のグラウンドで練習を続ける島野が語る言葉の節々からは中学生とは思えない思考を感じ取れた。

「これまでたくさんの取材などを受けてきましたが、それは中学硬式で女性の投手がマウンドに立ったからだと思っています。これが女子だけの世界(女子高校野球など)になった時にどうなるのかな? もっと女子野球が世間に認知されるにはどうしたらいいのか? 誰もが成し遂げていない数字、成績を残さないと関心は持ってくれない。そのために何をしたらいいのかを考えています」

 甲子園にも出場した長男・凌多さん、現在は履正社でプレーする次男・圭太さんの姿を見て自然と野球への道を進んだ。「大淀ボーイズ」に入団してからは男子レベルの高さを痛感。中学1年の時には自慢の直球は打ち返され、「負けられない」とスピードを求めたが中学2年の時に考えが変わったという。

「絶対にパワーで勝負したら勝てない。どうしたら勝てるかを考えた時にレッドソックスで世界一に輝いた上原さんの動画を見ました。メジャーの選手に比べスピードは劣っていましたが、それでも抑える。『これだ』と。投手はコントロール、間違わないところに投げれば打たれない。そこを追求しました」

小林将起監督は島野の野球への思いに目を細める「実力で背番号1を奪った」

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