【中村紀洋の目】中日2軍は宝の山 キャンプを取材して惚れ込んだ3選手は…

中日2軍キャンプを取材した中村紀洋氏(右)と門倉コーチ【写真提供:インプレッション】
中日2軍キャンプを取材した中村紀洋氏(右)と門倉コーチ【写真提供:インプレッション】

1軍だけでなく2軍キャンプも取材、気になった3選手は…

 中村紀洋です。スポーツ専門放送局「J SPORTS」の解説の仕事で21日から中日の春季キャンプを取材させていただきました。今回は1軍キャンプでなく、こちらの希望で2軍キャンプも見ました。浜松開誠館の非常勤コーチとして、プロのファームのレベルがどれぐらいの水準なのか自分の目で実際に確認したかったのが大きな理由です。

 取材に伺った日は韓国・ハンファとの練習試合だったのですが、素晴らしい選手がたくさんいました。ドラフト6位で入団した新人の滝野要選手はリードオフマンとしての可能性を感じましたね。1打席目で右安打を放つと、2打席目もツーストライクと追い込まれながら見事な左前打。追い込まれてから三遊間に打つのはプロでもなかなかできません。実戦経験を積んでいけば1軍で外野のレギュラー争いに十分食い込む能力を持っていると感じました。

 同じくドラフト4位で入団した新人の石橋康太選手も楽しみですね。空振り三振に倒れた打席も当てにいかず、きっちり振っている。「振る力」というのは非常に重要だと思います。新人であれだけ振れる選手はなかなかいません。高校通算57本塁打の大型捕手ということですが、スケールの大きさを感じました。同期の根尾昂選手と切磋琢磨して将来の中日を担ってほしいですね。

 投手は高卒2年目・山本拓実投手の投げっぷりの良さが目を引きました。四球の後にホームランを浴びましたが、腕をあれだけ振れるのは大きな魅力です。打者目線で見ると、制球を気にして腕が振れない投手はどんどん踏み込めますが、腕を振ってどんどん投げてくる投手は脅威です。多少コースが甘くても打者はミスショットしてしまいます。山本投手は身長167センチと上背はないですが、この投球スタイルを貫いて直球に磨きをかけてほしいですね。ファームで結果を出し続ければ、1軍でも救援でチャンスは十分にあると思います。

 中日の2軍は小笠原道大監督、浅尾拓也投手コーチ、門倉健投手コーチ、小笠原孝投手コーチ、田村藤夫バッテリーコーチ、森野将彦打撃コーチ、荒木雅博内野守備走塁コーチ、英智外野守備走塁コーチと私が現役時代に対戦したり、チームメートだった方がたくさんいました。名プレーヤーたちがコーチになっているので、一人でも多くの選手がチャンスをつかんで1軍で活躍してほしいですね。(元近鉄、ドジャース、オリックス、中日、楽天、DeNA内野手)

文/構成 インプレッション・平尾類

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