「イチローはローズより劣っていない」NY紙が特集、4367安打だけにとどまらぬ価値

現役引退を表明したマリナーズ・イチロー【写真:Getty Images】
現役引退を表明したマリナーズ・イチロー【写真:Getty Images】

「NYタイムズ」が特集、日本での安打の価値は測れないが、実績は変わらない

 日本で1287本、アメリカで3089本のヒットを放ち、安打製造機の名に違わぬ実績を残したマリナーズのイチロー外野手。21日に東京ドームで行われたアスレチックス戦を最後に、ユニホームを脱ぐ決断を下したが、日米異なる2つのリーグで計4367本のヒットを積み重ねてきたイチローはどのような評価を受けているのか――。米紙「NYタイムズ」が特集した。

 「イチロー・スズキはヒットキングではない。彼はそれ以上だ」と題された「NYタイムズ」の記事では「いったい何本の安打を打ったのか、という疑問はスズキを取り囲む世界ではシンプルではない」と指摘している。

 MLB通算では歴代23位、NPB通算では歴代95位だが、その双方を合算すると歴代トップに躍り出るイチロー。記事では各選手のMLBとマイナーや他国リーグの合算安打数を出しており、イチローはピート・ローズ(MLB4256安打+マイナーリーグ427安打)に次ぐ2位に位置し「特にアメリカの人々にとっては、ローズこそがヒットキングだということに変わりはない」と言及されている。

 ただ、記事では「とはいえ、イチローがローズより劣っているというわけではない」とも。MLB通算打率.311、NPBでは通算打率.353を誇る日本のヒットメーカーは「歴史上、最も優れたスプレーヒッター(フィールドのあらゆるところに打てる打者)だろう」と評している。また、強肩を生かした守備力と並外れた走力を兼備しているため「ほかの選手よりも傑出している」と絶賛している。

 記事では他にも、セイバーメトリクスの指標を紹介。類似性スコア(similarity score)という、選手の成績から類似したタイプの選手を表すものを挙げ「イチローに最も類似したタイプの選手10人の中には、殿堂入り選手のロッド・カルーやトニー・グウィンらがいる。ここ30年の間に現役だったのはグウィンとケニー・ロフトンの2人だけである」と、イチローがどれだけ稀有な存在かを説明している。

 最後に「グラウンド外のユーモアある言動でも有名である」とイチロー独特の言い回しや、スプリングトレーニング時に着用して注目を集めていたTシャツなど、そのキャラクターについても高く評されている。稀代のヒットメーカーとして知られるイチローだが、もはやヒットキングを超越した存在した、孤高の存在として位置づけられていると言えそうだ。

(Full-Count編集部)

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