「だから彼はスペシャル」レンジャーズ秋信守がイチローへの敬意を隠さないワケ

現役引退を表明したマリナーズ・イチローとレンジャーズの秋信守(左から)【写真:Getty Images】
現役引退を表明したマリナーズ・イチローとレンジャーズの秋信守(左から)【写真:Getty Images】

マリナーズでは常に雲の上の存在「ほとんど言葉を交わしたことすらなかった」

 デビューしたのは2005年4月21日、22歳の時だった。あれから15年。秋信守は3度ユニホームを変えたが、37歳を迎える今季も現役としてプレーする。高校卒業後、韓国プロ野球を経ずにマリナーズとマイナー契約。ミレニアムに沸いた2000年のことだった。その翌年、同じくアジアから太平洋をわたり、マリナーズに入団したのが、他でもないイチローだった。

 高校時代にエースで4番だった秋は、渡米後に外野手へ本格転向。ルーキーリーグから少しずつキャリアを積み上げた秋にとって、同じ外野手で移籍1年目から全米を沸かせたイチローは、文字通り、雲の上の存在だったという。ようやくメジャー昇格を果たした2005年は、10試合に出場。2006年はメジャーで4試合プレーした後、7月にインディアンスへトレード移籍したため、イチローと“チームメート”だったのは、都合14試合だけだった。

「一緒にプレーしたのは、ほんの少しだったから、ほとんど言葉を交わしたことすらなかったと思う。彼はすでにスーパースターだったしね」

 イチローの足元にすら及ばないと思っていた韓国生まれの青年は、インディアンスに移籍後、その才能を大きく開花させる。かつて投手だったこともあり、2007年には左肘靱帯修復手術(トミー・ジョン手術)を受けたが、戦列復帰を果たした2008年途中からレギュラーに定着。3年連続で打率3割を記録する屈指の巧打者となった。

イチローへの尊敬の念が頂点に達したのは…

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