仁志監督率いる「侍ジャパン」U-12代表、悲願の世界一へ26日からワールドカップ出場

2019.7.24

野球日本代表「侍ジャパン」U-12代表が、7月26日から台湾・台南で行われる「第5回 WBSC U-12 ワールドカップ」に挑む。2017年の前回大会は3位決定戦でメキシコに敗れ4位。悲願の世界一へ向けて、厳しい戦いがスタートする。

写真提供=Getty Images

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オープニングラウンドはキューバ、チャイニーズ・タイペイとの対戦が鍵に

 野球日本代表「侍ジャパン」U-12代表が、7月26日から台湾・台南で行われる「第5回 WBSC U-12 ワールドカップ」に挑む。2017年の前回大会は3位決定戦でメキシコに敗れ4位。悲願の世界一へ向けて、厳しい戦いがスタートする。

 侍ジャパンを率いるのは、読売、横浜(現横浜DeNA)などで活躍した仁志敏久監督。ワールドカップで指揮を執るのはこれが3度目となる。2015年の第3回大会は6位、そして2017年の第4回大会は4位。強豪国との体格差、体力差が大きいこの世代はまだ世界一に立てていないものの、2014年に仁志監督が就任してから、2016年の「第9回 BFA U12アジア選手権」で初のアジア制覇を果たすなど、着実に前進してきた。

 今年は日本リトルリーグ野球協会、日本少年野球連盟(ボーイズリーグ)、全日本少年硬式野球連盟(ヤングリーグ)、日本ポニーベースボール協会、九州硬式少年野球協会(フレッシュリーグ)に所属する選手を対象に3月末から「侍ジャパンU-12代表全日本合同トライアウト ~デジタルチャレンジ~ 」を実施。選手たちの可能性をできるだけ多く見いだし、日本代表を選考したいという思いから、動画応募による審査・選考を行った。

(1)50メートル走:7.3秒以下(2)球速:105キロ以上(3)遠投:70メートル以上(4)特筆すべき技能を持っていること、の項目のうち1つ以上クリアしている選手を対象として、特設ページで約1か月半に渡って募集。6月上旬には通過した男女44選手の最終トライアウトとして実技練習や測定を実施し、同月下旬に出場18選手が決まった。

 日本、そして台湾での直前合宿を経て、本大会に挑む侍ジャパン。日程もすでに決まっており、オープニングラウンド(すべて日本時間)のグループAでは7月26日にチェコ戦(11時)、27日にキューバ(15時)、28日にチャイニーズ・タイペイ(19時30分)、29日にフィジー戦(11時)、30日に南アフリカ戦(15時)と対戦。勝ち抜けば、8月1~3日にスーパーラウンドが行われ、同4日には決勝・3位決定戦が開催される。

2回戦敗退に終わった昨年の反省「結果を求めすぎてしまっていた部分がありました」

 3連覇中のアメリカ、前回3位のメキシコ、昨年8月の「第10回 BFA U12アジア選手権」で日本(3位)を上回る2位だった韓国など、強豪国が反対側のグループBに入ったものの、日本のグループも厳しい。地元のチャイニーズ・タイペイはアジアでは実績が突き抜けた存在で、前回まで3大会連続の準優勝。2011年にはワールドカップ初代王者にも輝いており、宿敵アメリカを破っての4大会ぶり優勝を狙ってくる。

 また、野球大国キューバも表彰台に上がった経験はないとはいえ、侮れない相手。仁志監督が初めてワールドカップで指揮を執った2015年の第3回大会では、日本(6位)を上回る4位に入っている。日程を見ると、2戦目でキューバ、3戦目でチャイニーズ・タイペイと強豪との対戦が続く。侍ジャパンは何としてもキューバを破ってチャイニーズ・タイペイ戦に臨みたいところだ。

 スーパーラウンドには上位3か国が進めるが、そこで対戦するのは反対側のグループから勝ち上がってきた3か国のみ。オープニングラウンドでの対戦成績を含めて順位を決め、決勝進出チームを決める。そのため、オープニングラウンドでの結果は極めて重要になる。できれば全勝、すくなくとも1敗にとどめて、スーパーラウンドに駒を進めたいところだ。

 3度目のワールドカップとなる仁志監督は国際大会の戦い方も熟知している。一方で、同世代の中南米各国、チャイニーズ・タイペイなどとの大きな体格差、体力差をどう埋めていくかは日本にとって過去の大会で課題となってきた。元横浜DeNA、福岡ソフトバンクの江尻慎太郎氏も投手コーチとして前回大会に続いて“入閣”しているが、経験豊富な首脳陣が日本の強みを生かした野球で選手の能力を引き出し、世界一を目指していくことになりそうだ。

 20~23日に日本、24~25日には大会が行われる台湾で直前合宿を行い、本番に臨む。前回大会では、3位決定戦でメキシコに0-1で惜敗してメダル獲得を逃し、選手たちは悔し涙に暮れた。その光景を見ていた仁志監督は、試合直後に「やらせていただけるのなら」と2年後の大会でも指揮を執ることを希望していたが、宣言通りいよいよ3度目のワールドカップへ。悲願達成はなるだろうか。

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