侍ジャパンU-12代表、無傷4連勝で予選突破 23安打30得点も仁志監督「準備として最後まで」

2019.7.29

台湾・台南市で行われている「第5回 WBSC U-12ワールドカップ」は29日、オープニングラウンド第4戦が行われ、初の世界一を目指す侍ジャパンU-12代表はフィジーに30-0の4回コールド(15点差以上)で大勝。23安打3本塁打と打線爆発し、無傷4連勝でオープニングラウンド突破を決めた。

写真提供=Getty Images

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前日から先発8人入れ替え、4番・鈴木が2打席連発など2発3安打4打点

 台湾・台南市で行われている「第5回 WBSC U-12ワールドカップ」は29日、オープニングラウンド第4戦が行われ、初の世界一を目指す侍ジャパンU-12代表はフィジーに30-0の4回コールド(15点差以上)で大勝。23安打3本塁打と打線爆発し、無傷4連勝でオープニングラウンド突破を決めた。

 チャイニーズ・タイペイとのナイターでの熱戦が終わったのは現地時間20時56分だった。一夜明け、この日のプレイボールは10時。間隔がわずか13時間しかない中、「大げさなことではないですけど、あまり出てない子をこういうゲームに」と仁志敏久監督は選手の疲労も考慮してスタメンを8選手入れ替えた。

 チャイニーズ・タイペイ戦では高橋昇聖選手(北上ゴブリンズ)が衝撃的な2打席連発でヒーローとなったが、この日の「打のヒーロー」は4番・鈴木拓斗選手(兵庫神戸ボーイズ)だった。初回は堅実に四球。2回先頭でレフトへ二塁打を放ちチャンスを作ると、打者一巡して回ってきた第3打席で左中間へ豪快な2ラン。3回にはバックスクリーンへ2打席連発となる2ランを放ち、3打数3安打4打点の大活躍だった。

 鈴木選手だけではなくスタメン全員が躍動した。初回は生田目博之介選手(越谷リトル)の右翼への2ラン、青木朔真選手(筑後ボーイズ)、重松寿翔選手(豊川中央ボーイズ)、泉祐成選手(広島廿日市ボーイズ)、川邊宙輝選手(大阪八尾ボーイズ)の4連続適時二塁打などで一挙9得点。2回は6安打8得点を奪うと、3回には10安打13得点と四死球で出たランナーを長打で返した。

初出場のフィジーから学ぶことも「彼らは自分の国に帰ったら野球がない」

 先発に今大会初登板の泉祐成選手(広島廿日市ボーイズ)を送り込んだ仁志監督。初回は1死から右前打を打たれ、次打者の打球を右翼手がエラー。嫌な空気が流れかけたが、一塁走者が二塁を飛び出してしまった相手のミスを見逃さず、アウトをとり流れに乗った。続く打者を空振り三振に奪うと、2回も3者連続空振り三振に抑えお役御免となった。

 3回からは三宅巧人選手(武蔵府中リトルリーグ)が初登板し、1死満塁のピンチを背負うも無失点。4回も初登板の高畑知季選手(兵庫波賀リトルリーグ)が1死から右前打を許したが盗塁失敗もあり3人で抑えた。初登板3投手による完封勝利を飾った。

 30-0の大勝だったが、仁志監督は試合後のミーティングで選手に喝を入れた。「余裕がある試合にも関わらず、状況が全くわかってない選手もいた」とし、「フィジーの選手たちは自分の国に帰ったら野球がない。みんなみたいにプロ野球もメジャーリーグも見られない。(フィジーの選手たちは)自分たちで学んだこと、教えてもらったことを一所懸命やるしかないんだから」と日本の一方的な展開になった試合でも、最後まで笑顔でプレーしたフィジーの選手たちからも学ぶことを促した。

 キューバ、チャイニーズ・タイペイと強豪との連戦後の一戦に「こういうゲームはちょっと難しいですけどね。スーパーラウンドの準備として最後まで」と気を引き締めた指揮官。30日は南アフリカとオープニングラウンド最終戦を戦う。

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