鷹22歳右腕の計り知れないポテンシャル 名トレーナーは「怪物」、千賀も大絶賛

2年目の今季に期待がかかるソフトバンク・杉山一樹【写真:福谷佑介】
2年目の今季に期待がかかるソフトバンク・杉山一樹【写真:福谷佑介】

フォーム大幅改造、左肩を前傾させ左脇腹を締めて投げる新フォームへ

 18日に福岡・久留米市内で報道陣に公開されたソフトバンクの千賀滉大投手の自主トレ。例年通り、鴻江寿治トレーナーの主宰する「鴻江スポーツアカデミー」の合同自主トレに参加し、映像機器を用いた動作解析、フォームチェックなどを行った。

 この日の公開部分で、マウンドで投球練習を行ったのはソフトボールの上野由岐子投手(ビックカメラ高崎)、巨人の菅野智之投手と宮國椋丞投手、そしてソフトバンクの千賀、杉山一樹投手、吉住晴斗投手、川原弘之投手。その中で異彩を放ったのが、2018年ドラフト2位の杉山だった。

 やや左肩を前傾させたセットポジションから、まだ1月半ばとは思えないような剛球を投げ込んでいた。そのフォームは昨季とは大幅に変化した。そのポテンシャルは千賀に「群を抜いて杉山。僕も越された。それくらい凄かった。見ての通りもの凄いのは分かると思いますけど、上手にハンドル捌きを覚えた感じ。普段は馬鹿なんですけど、野球には真面目。短期間で凄く伸びた」と言わしめたほどだ。

 もともと、その能力は高く評価されていた。入団直後の新人合同自主トレ、そしてキャンプでは、のちに侍ジャパン入りするドラフト1位の甲斐野央投手よりも杉山を高く評価する声が多く上がっていた。だが、キャンプ中に足首を捻挫。その後はフォームを崩し、なかなかトンネルから抜け出せないまま、シーズンが終わった。このままではいけないと一念発起し、シーズン中からアドバイスを貰っていた千賀へ“弟子入り”を志願。この「鴻江スポーツアカデミー」の合同自主トレに参加することになった。

 左肩を前傾させ、左脇腹を締めたようにして投げる新フォーム。見るだけでその変化が分かるほどだが、本人は「変える怖さはない。良くなるのであれば変えるつもりで来たので。感触はいいです」と手応えを感じているよう。これまでは“右半身”を使って投げていたが、鴻江トレーナーの分析では“左半身”を使うタイプ。“左半身”主導のフォームにしたところ「右腕が勝手に付いてくる。右腕が張ったりするのがなくなった」と明らかな変化を感じたという。

 数々の選手を指導してきた鴻江トレーナーも「怪物の杉山くん」と称したほどのインパクトを与えた杉山。「今年は勝負の年だと思っています。2年目だろうと戦力としてやらないといけない。何でもいいので使われたところで結果を出すしかないと思っています」。危機感を滲ませる22歳が、一躍、大ブレークを果たすかもしれない。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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