「ボロボロになって潰れてもいい」 オリT-岡田が明かす復活の鍵とイチロー氏の言葉

オリックス・T-岡田【写真:荒川祐史】
オリックス・T-岡田【写真:荒川祐史】

2010年に本塁打王を獲得してから10年「いい意味でも悪い意味でも怖いもの知らずだった」

 今年にかける思いは誰よりも強い。1月中旬。思い出の地、ほっともっとフィールド神戸で快音を響かせる1人の男がいた。

「ずっと体動かしているのでいい感じですね。12月終わりまで試合できることなんて高校の時でもなかった。このまま休むことなくキャンプに入っていければ。いい経験をしたし、このシーズンに繋げていきたい」

 寒風吹きすさぶ神戸でオリックスのT-岡田外野手は充実した表情を見せバットを振り続けた。昨年はレギュラー定着後、最少となる20試合の出場にとどまり打率.120、1本塁打、2打点。それでも、崖っぷちの和製大砲に悲壮感は微塵も感じなかった。

 12月には自身初となるプエルトリコのウインターリーグに参加。22試合の出場で打率.200、4本塁打、9打点と数字だけみれば物足りない部分もあるが「自分の中でも手応えあった。シーズンが楽しみ」と大きな収穫を口にする。

 外国人特有の動くボールに対応するためインパクトのポイントをできるだけ近くに置いた。22試合の中でゴロアウトを無くすことを意識。手元にボールを呼び込み、最短距離でバットを振りぬくイメージでさらなる進化を求めた。

 2010年に33本塁打を放ち本塁打王のタイトルを獲得してから10年。不動の4番として期待されたが怪我、不振などもあり、過去の自分を超える成績を残すことはできていない。酸いも甘いも知り今年でプロ15年目のシーズンを迎えるが復活のポイントは“原点回帰”だ。

「いい意味でも悪い意味でも怖いもの知らずだった。あまり考えずに色んな事に取り組めてた。それがいいか悪いか分からないが。色んな失敗を繰り返して、失敗の怖さを知っただけに考えてしまう部分もあった。あの時はシンプルに来た球を打つ。そういう意識の中で打席に入っていた。それが良かったかもしれない。そういう意味でも今年はシンプルに考えてもいいんじゃないかなと。原点回帰、シンプルにがむしゃらにやっていければ」

自主トレ中にはイチロー氏と再会「相変わらずのイチローさんでしたよ(笑)」

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