2020年復活を期する男たちの現在地 西武松坂、ロッテ鳥谷に17年MVP右腕【パ編】

西武・松坂大輔【写真:荒川祐史】
西武・松坂大輔【写真:荒川祐史】

オリックスT-岡田はOP戦で3本塁打、楽天涌井は先発ローテとして期待されている

 新型コロナウイルスの影響で開幕延期となったプロ野球。各球団は4月中のシーズン開幕を目指しているが、先行きは不透明なままだ。各球団は練習試合で調整を進めているが、開幕後へ向けて今季中の復活に燃える男たちがいる。Full-Countでは各球団から1人ずつピックアップ。現在地を追った。まずはパ・リーグ編。

【西武】
◯松坂大輔投手

 かつての大エースが14年ぶりに復帰。西武で108勝、メジャーで56勝を挙げて2015年にソフトバンクに加入したが、右肩の故障で3年間でわずか1登板。2018年には中日で6勝4敗、防御率3.74の成績を残してカムバック賞も受賞したが、昨季は右肩を痛めて2試合登板にとどまった。

 オープン戦では2試合登板し、勝敗なしの防御率3.00。22日の日本ハムとの練習試合では今季最長5回4安打4失点。5四死球と制球面に課題を残したが、同僚のニールから教わった新球“スプリットチェンジ”は威力十分。先発ローテーション入りが有力視されている。“平成の怪物”が令和の時代に再び輝きを放てるか。

【ソフトバンク】
◯デニス・サファテ投手

 11年に広島にNPB入りし、13年西武、14年からソフトバンクでプレー。14年から4年連続で60試合以上に登板し、15年から3年連続最多セーブ。2017年にはプロ野球記録となるシーズン54セーブを記録。MVPを獲得し、「キング・オブ・クローザー」と称された。2018年開幕直後に右股関節の違和感を訴えて手術。昨季は1軍登板はなかった。

 直球は140キロ台となったが、オープン戦では3試合登板し、勝敗なしの1セーブ、防御率0.00。22日のロッテとの練習試合では9回から救援し、3者凡退に抑えた。通算234セーブの助っ人右腕の再起が期待される。
 
【楽天】
◯涌井秀章投手

 昨年12月にロッテから金銭トレードで加入した。西武時代には最多勝2回、沢村賞1回とエースとして活躍すると、2013年オフに国内FA権を行使してロッテに移籍。2015年には15勝で3度目の最多勝に輝いたが、プロ15年目の昨季は18登板(17先発)で3勝7敗、防御率4.50に終わっていた。

 オープン戦では15日の巨人戦で5回5安打2失点と好投。計3試合登板し、1勝1敗、防御率3.75。12イニングで12奪三振、2四球と復活を印象づけた。通算133勝右腕は先発ローテーションの一角として復活を期待したい。

【ロッテ】
◯鳥谷敬内野手

 阪神時代に1939試合連続出場、13シーズン連続全試合出場(いずれも歴代2位)したが、昨季は74試合出場、打率.207、0本塁打、4打点は自己ワーストだった。昨季限りで阪神を退団し、春季キャンプ中は去就が決まらなかったが、3月11日にロッテ入りした。

 17日の巨人との2軍練習試合で再スタート。6試合連続出場し、22日の楽天との2軍練習試合では移籍後初の適時打、マルチ安打をマークした。ここまで20打数5安打の打率.250、1打点。守備では遊撃、三塁、二塁と守り、一塁ミットも用意している。春季キャンプなしだった通算2085安打のレジェンドが不退転の決意で臨む。

【日本ハム】
◯松本剛外野手

 17年に1軍定着し、2番打者として活躍。交流戦では打率.396を記録して日本生命賞を受賞した。自己最多の115試合出場し、打率.274を記録した。しかし、18年は54試合出場。昨季は7月に右肘を手術し、4試合出場にとどまった。

 昨年12月に入籍していたことも発表。オープン戦では14試合出場、26打数8安打の打率.308とアピールした。チームの外野手では西川、大田、近藤らがいるが、レギュラーを再奪取。3年ぶりの規定打席到達を目指す。

【オリックス】
◯T-岡田外野手

 2010年に33本塁打で本塁打王を獲得。選手会長に就任した2017年にも31本塁打を放つなど通算170本塁打を誇るが、昨季は20試合で打率.120、1本塁打、2打点と不振。オフには新たに3年契約を結び、プエルトリコのウインターリーグにも参加した。

 オープン戦では12試合出場し、打率.296、3本塁打、9打点をマーク。持ち前の長打力に確実性も増した。「6番・指名打者」で先発出場した21日の楽天との練習試合では4打数無安打1四球だったが、主砲の吉田正、新助っ人のジョーンズと打線を牽引したい。

(Full-Count編集部)

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