昨春準V・習志野が“苦難”で気づかされたこと 小林監督「周囲の協力に感謝する機会」

習志野・角田主将、岩波校長、小林監督(左から)【写真:佐藤佑輔】
習志野・角田主将、岩波校長、小林監督(左から)【写真:佐藤佑輔】

新型コロナウイルス感染拡大の影響で選抜高校野球は中止となった

 昨年の第91回選抜高校野球大会で準優勝した習志野が6日、千葉・習志野市内の同校で準優勝旗の返還式を行った。

 高野連、学校関係者、報道陣全員がマスク着用で臨んだ返還式。角田勇斗主将(3年)が毎日新聞社の広田取締役に準優勝旗を返還すると、会場の応接室に集まった約30人の報道陣からは次々とシャッター音が上がった。

 第92回の今大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止に。角田主将は「今はこのような状況で個人で練習するしかない。やはりチームで練習ができないので、チーム作りの面では他の私立と比べて劣ってると思う」と不安な思いも口にしつつも、「夏は目標を失うことなく甲子園を目指して頑張りたい。夏の大会が決まったその日から、全力で(チームを)作り上げていきたい」と前向きに話した。

 前例のない状況に置かれる選手たちだが、それでも小林監督はこの苦難を成長の機会としてほしいと願う。

「今まであまり意識してなかった子たちも、普通に野球ができていたことが特別なことだと気づいたり、周囲の協力に感謝する機会になった。そういう外に向かうものとは別に、中に向かうもの、自発的、自主的にやることのいいきっかけになればいいねと話した。子どもたちにとっては決していい状況ではないが、逆に何かいい影響のきっかけにしてほしい」

 各校がもどかしい時間を過ごすなか、今何ができるか。千葉の高校野球界を牽引する習志野は、すでに夏に向けてのスタートを切っている。

(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)

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