「10連続三振を狙っていた」 女房役が明かす江川卓のオールスター8連続三振

現在は野球解説者として活躍している江川卓氏【写真:荒川祐史】
現在は野球解説者として活躍している江川卓氏【写真:荒川祐史】

元中日の中尾孝義氏が「ポニーリーグ通信」で江川卓氏のオールスター8連続三振を回顧した

 中日、巨人などで活躍した中尾孝義氏が15日、昭和の怪物こと巨人・江川卓氏との仰天エピソードを語った。江川氏が1984年オールスターで記録した伝説の8者連続三振を日本ポニーベースボール協会の公式インスタグラムで回顧。当時、中日捕手でセ・リーグのマスクを被っていた中尾氏は9人目の打者を振り逃げ三振として、10者連続三振を狙っていたと明かした。

 真夏の鮮やかな奪三振ショーだった。江川氏は4回からマウンドに上がり、阪急・福本豊やブーマー、ロッテ・落合博満らを直球とカーブでキリキリ舞い。6回2死まで8連続まで伸ばし、71年に阪神・江夏豊が達成した9連続まであと1つに迫った。ただ、中尾氏の頭には新記録樹立が頭にあったという。

「江夏さんが9連続三振を取っていたので、本当は9連続、もしくは10連続を考えていました。ただ、江川投手はその頃、真っ直ぐとカーブの2種類だけ。ただ、真っ直ぐがとんでもなく伸びるんです。浮き上がってくるような真っ直ぐで、パ・リーグの打者はみんな空振り。本当にミットに入る前ぐらいにバットが出てくる。キャッチャーとしては物凄く楽でした」

 6回2死。打席に入ったのは近鉄の大石大二郎だった。直球で追い込み、1ボール2ストライク。中尾氏は決め球でカーブを要求した。ここには深いワケがあったという。

「9連続三振を超えるにはどうしたらいいか。真っ直ぐを出して空振りを取るつもりでいたんですけど、それだと9連続三振で終わってしまう。ワンバウンドのカーブを投げて僕がパスボールをして、その次の打者を三振にしようということで、江川投手はカーブを投げたんです。だけど、それがワンバウンドにならなくて」

 結果はニゴロ。江夏氏の9連続三振にはあと一歩届かなかった。中尾氏は「いろんな方から『なんで、あそこでカーブなんだよ』と言われたんですけど、やっぱり10連続三振を狙っていたので、そういうチョイスになりました。もしあそこでカーブが来たら本当に10連続三振になった可能性はすごく高かったと思います」と振り返った。

 また、中尾氏はヤクルト、巨人、阪神で通算306本塁打を放ち、日本ポニーベースボール協会で理事長を務める広澤克実氏との対戦を「特に内角高めに弱い部分がありました。あとは外角の変化球」などと振り返った。新型コロナウイルスの影響でチーム活動を休止している現役ポニーリーガーへは、「どれだけ気持ちを強く持つか。試合に絶対負けない気持ち。なにくそという気持ち。そしたら絶対に上達します。プロに行けるようになります。みんな頑張りましょう」と熱くメッセージを送っている。

【動画】「やっぱり10連続三振を狙っていた」中尾孝義氏が明かした怪物・江川とのオールスター衝撃エピソード

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