オリックス浮上のために必要なもの 元監督・森脇氏が指摘する“目に見えないミス”

史上初の同一カード6連敗を喫するなど苦戦しているオリックス【写真:荒川祐史】
史上初の同一カード6連敗を喫するなど苦戦しているオリックス【写真:荒川祐史】

2013、14、15年にオリックスの監督を務めた森脇氏「小さな積み重ねがチーム、選手を作っていく」

 プロ野球が開幕し、パ・リーグではオリックスが史上初の同一カード6連敗を喫するなど苦戦している。4日の西武戦(メットライフドーム)では吉田正尚外野手の逆転2ランで今季初の逆転勝利を手にし、守護神ディクソンが初セーブを挙げるなど好材料も見えてきた。

 ペナントを制すため、また、優勝争いする為には僅差のゲームを確実にものにすることが必要になってくる。Full-Countではダイエー、ソフトバンク、中日でコーチを務め、オリックスでは2013、14、15年に監督も歴任した森脇浩司氏に現状のチームに必要な部分を語ってもらった。

 オリックスは開幕からここまで1点差のゲームで1勝7敗。どうにもならないではなく、どうにでもなったゲームばかりと言える。リリーフ陣が踏ん張り切れない部分もあるが攻守で目に見えるミスが多く、勝てる可能性があった試合を手放している。

 まず、森脇氏は「よく一生懸命やって負けた、最善を尽くしたというが、果たしてそうだろうか。先ずその時々で個々にどういう役割があるかを知ること。同時にそれを明確に伝えること。そして、実行してもらう為に指導者はノウハウは勿論、選手に応じてのコミュニケーションスタイルを持つことが大切。強い組織にはしっかりとしたビジョンがあり、それを全員が共有して根気強く実行し成果を出してそれが伝統となる。ベンチマーク(自チーム、他チームの分析、比較等)を的確に行い、本気で向き合えば形になるまでにそう長くはかからない。小さな積み重ねがチーム、選手を作っていくものではないでしょうか」と語る。

 3番・吉田正、4番ジョーンズ、5番T-岡田、6番ロドリゲスと他球団からは脅威ともいえるラインナップだが、これが“点”であっては繋がるものも繋がらない。打撃だけではなく走塁面でも先の塁を盗む“準備”の重要性を説く。

「古い話になるが、過去にソフトバンク、オリックスに在籍したペーニャには走塁でチームを引っ張るようにと伝え、定期的にコミュニケーションを取り、チームには盗塁数ではなく、全員が当事者となって牽制球をもらう数に目標を定めた。また、以前のチームでも主力にこそ“凡事徹底”と走塁の要求を繰り返した。主力がしっかり走塁をするチームは強く、走塁の徹底が一体感を生むことは言うまでもない」

 4日の西武戦。3回の攻撃で先頭・廣澤が二ゴロ失策で出塁したが、続く小島がカウント1-0からの2球目を叩き遊ゴロ併殺に終わった。相手のミスで得たチャンスを一瞬で逃した形となったが、森脇氏が注目したのは一走・廣澤の動きだった。

ノーヒットで1点が奪える場面での打撃「脇役の選手にはいつでもセカンドゴロが打てるように」

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