高校、大学では登板なしも… BC栃木で“大化け”153キロサイド右腕にスカウト熱視線

BC栃木・石田駿【写真:細野能功】
BC栃木・石田駿【写真:細野能功】

目標は最速155キロ、スカウトも「もっと出る」と期待

 ルートインBCリーグ・栃木ゴールデンブレーブスの最速153キロサイド右腕・石田駿投手が、NPB4球団のスカウトの前で強烈な投球を披露した。8日、茨城県土浦市のJ:COMスタジアム土浦での茨城アストロプラネッツ戦で登板。最速152キロを計測し、1イニングをパーフェクトに抑えた。

 出番は3点リードの5回。相手の上位打線を迎えても、全く寄せつけなかった。先頭を147キロの速球で一邪飛に打ち取ると、球速も上昇。続く打者には149キロ、最後は151キロの直球でいずれも空振り三振を奪ってみせた。「真っすぐで三振をとれるピッチャーを目標にやってきた。直近の目標は155キロですが、まだまだスピードは出る感じはする」と石田。目先の結果に満足することなく、さらなる高みを見据えた。

 ネット裏には巨人や阪神など4球団のスタウトが視察。パ・リーグ球団のスカウトは「ボールの質がいい。サイドハンドは魅力。もっとスピードは出る感じがする」とさらなる伸びしろを期待した。

 静清高、九産大時代は公式戦の登板がほとんどなく、無名の存在だった。頭角を表したのは栃木に入ってから。リーグ戦初登板となった6月26日の茨城戦で、初めて150キロをマークした。公式戦登板は、実に高校1年の時以来だったという。

 昨年の4月ごろまでは球速が140キロ台前半だったが「(体の回転を横方向ではなく)縦方向に意識したことで球速が上がってきた」と石田。地道な技術面の工夫が急成長を促した。さらに、武器の直球に加え、変化球はシンカーに120キロ台のカーブが中心。チェンジアップとカットボールも練習している。

「課題は2球に1球は変化球でストライクをとれることですが、そこはまだできていない」と言うが、伸びしろは計り知れない。運命の日に向け、アピールを続けていく。

(細野能功 / Yoshinori Hosono)

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