阪神・能見にあった“幻の守護神計画” 元投手コーチの藪氏が明かす13年の秘話

阪神・能見篤史【写真:荒川祐史】
阪神・能見篤史【写真:荒川祐史】

2011年から3シーズン、投手コーチとして接し「彼は本当にエース級」

 阪神一筋で16シーズンを過ごした左腕・能見篤史投手が縦縞のユニホームを脱ぐ。阪神は6日、今季限りでの退団を発表した。今季はここまで1軍で32試合に投げて1勝3ホールド、防御率5.01の成績。通算104勝93敗50ホールド1セーブという成績を挙げているベテランの退団に「僕はちょっと反対ですね」と話す人がいる。阪神OBで元メジャーリーガーの藪恵壹氏だ。

「能見投手はまだまだできる。あと、2年はいけますよ。阪神の現状を見ても、左の中継ぎがいない。去年、活躍した島本(浩也)投手は今年1年、まるっきり休み形になってしまっているので、岩崎(優)投手くらい。岩貞(祐太)投手をリリーフに回さざるを得なくなっている事情もあるだけに、球団の判断は少しどうかな、と思いますね。しかも、生え抜きの選手ですから。能見投手が現役を続けたいなら、どこから欲しがるチームはあると思いますよ」

 2005年に阪神からアスレチックスへ移動した藪氏は、その年に入団した能見とは選手としてチームメートになったことはないが、2011年から3シーズン、阪神で投手コーチを務めた時にともに戦った。

「彼は本当にエース級ですよね。彼を中心にローテーションが組めるし、2桁勝利が期待できる投手でしたから。しかも、夏場の苦しい時期から秋口になると、なぜか必ず負けなくなる。4つ、5つ連勝して、2桁勝ちますから」

 藪氏が1軍投手コーチだった2012年に、こんなエピソードがあるという。翌2013年には藤川球児投手のメジャー移籍が分かっていたため、先発だった能見をシーズン後半には中継ぎへ回した。

あと3つ三振を取れば単独でタイトル獲得も…「もういいです」

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