先制被弾の3球連続スライダーはなぜ? 元捕手が指摘する巨人バッテリーの“落とし穴”

巨人・菅野智之【写真:読売巨人軍提供】
巨人・菅野智之【写真:読売巨人軍提供】

ヤクルトや阪神などで21年間プレーした野口寿浩氏が解説

■ソフトバンク 5-1 巨人(日本シリーズ・21日・京セラドーム)

 21日に京セラドーム大阪で行われた「SMBC日本シリーズ2020」第1戦で、巨人はエースの菅野智之投手を先発に立てたが、6回6安打4失点で敗戦投手に。2回の先制2ランを含め3安打4打点のソフトバンク・栗原陵矢捕手1人にやられた格好だ。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)で21年間も捕手として活躍した野口寿浩氏が、菅野の心理を分析した。

 衝撃の先制弾だった。2回無死一塁で、「5番・右翼」の栗原を迎えた菅野。1球目は高め、2球目は内角にいずれもスライダーが外れ、カウント2-0。ここで、3球連続で選択したスライダーが真ん中に入り、右翼席へ運ばれた。

 この日、菅野をリードした捕手は大城。今季、菅野が登板した20試合中、19試合でマスクをかぶっていた。野口氏は「僕が見た印象では、バッテリーは2球目までの栗原の反応を見て、“ストレートを待っている”と判断し、裏をかくつもりでスライダーを続けたのだと思う」と推察する。「このように、“打ってこない”と思って投げる球が1番危ない。同じ球種であっても、“狙われているかもしれない”と心して投げる球とは切れが違う。僕も現役捕手時代、それで何度も痛い目にあいました」と明かした。

「1回に柳田を空振り三振に仕留めたスライダーは、コースは栗原に打たれたのとボール1個分か1個半しか違わなかったと思うが、切れが良かった」と明らかな違いも。さらに野口氏は、投手心理を推し量る。

「栗原は捕手的な読みで、スライダーに大ヤマを張っていたのかも」

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