なぜ松中信彦臨時コーチを招聘したのか? ロッテ井口監督が独白「僕も同じ意見」

ロッテ・井口資仁監督【写真:荒川祐史】
ロッテ・井口資仁監督【写真:荒川祐史】

就任4年目・井口監督のリアルな声を毎月届ける連載スタート

 2月1日、12球団が一斉にキャンプインし、プロ野球2021年シーズンがスタートした。目指す日本シリーズ優勝に向けて、オフには各球団が戦力を補強。どんなチームに仕上がっているのか、ファンは興味が尽きないところだろう。

 昨季リーグ2位となったロッテは、就任4年目を迎える井口資仁監督の下、2010年以来11年ぶりの日本一をつかみにいく。指揮官はこの3年間で1・2軍を通じた意思統一の徹底や育成システムの構築など“土台作り”に着手。2017年に球団史上ワーストとなる87敗を記録したチームは、ソフトバンクとの優勝争いを演じるまでになった。

 チームスローガンに「この1点を、つかみ取る」を掲げ、混戦必至のパ・リーグで頂点を目指す今季。「Full-Count」では、2月から井口監督の連載コラムがスタートする。戦いのど真ん中に身を置く指揮官が何を思い、どんな信念をもってチームを率いるのか。毎月届くリアルな声を通じて、井口監督の哲学を伝える。

 第1回は、先日発表したチームの中長期的ビジョン「Team Voice」、そして今季スローガンに込められた想いについて語る。【取材・構成/佐藤直子】

 ◇ ◇ ◇

 今年も沖縄・石垣島でキャンプインしました。監督として迎える4度目の春。第1クールは少し肌寒い日もありましたが、順調なスタートが切れたと思います。新型コロナウイルス感染症の影響で、今年はファンの皆さんがいない静かなキャンプ。我々にとって、ファンの皆さんに見ていただき、声援を送ってもらうことは大事なポイントの1つなので、少し収まりが悪い感じも否めません。

 無観客で開幕を迎えた昨年は、応援の有り難さを再確認させてくれる機会にもなりました。応援スタイルが変化し、声援の代わりとなったのが拍手。打った時や点が入った時、一斉にファンの大きな拍手で迎えてもらう。そんな新たな習慣もいいな、と僕は思います。

 マリーンズは今年、新たな試みとして「Team Voice」を発表し、中長期的なビジョンをファンの皆さんと共有しています。この「Team Voice」は、ファンの皆さんが思っていること、我々が感じていることが、そのまま言葉になっているものです。

 いつまでも「下剋上」と言っているのではなく、リーグ優勝しなければいけない。では、優勝するためにはどうしたらいいのか。当然、我々の意識をもっと変えていく必要があります。CSに行けたから優勝できるんじゃないか、ロッテはCSで強い…そう言われているようでは、このチームはまだまだダメ。とにかくリーグ優勝を目指してやっていこう。それを選手はもちろん、ファンの皆さんにも意識していただき、心を1つに目指そう。「Team Voice」には、そんな願いが込められています。

勝つために「この1点」を求める徹底采配「応えられなければ、容赦なく入れ替える」

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