254三振ペースで量産…佐藤輝明の“空振りの是非”は? 専門家が見解「副産物です」

阪神・佐藤輝明【写真:荒川祐史】
阪神・佐藤輝明【写真:荒川祐史】

開幕9戦目で初のスタメン落ち、33打席で16三振

■阪神 3ー1 中日(4日・京セラドーム)

 阪神のドラフト1位ルーキー・佐藤輝明内野手は4日の中日戦(京セラドーム)で、開幕9戦目にして初めてスタメンを外れた。3カードを終え、打率.129(31打数4安打)、2本塁打、4打点。三振数は両リーグ通じて最多の16に上り、33打席(1四球1犠飛を含む)で三振率は48.5%に。シーズンに換算すると、驚異の254個ペースだ。三振過多の傾向に問題はないのだろうか? 現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)で通算21年間捕手として活躍した野球評論家の野口寿浩氏が分析した。

「打者にはそれぞれタイプというものがある。長距離砲の佐藤輝を育てる上で、三振はある程度、副産物です」

 そう野口氏は断言する。「『三振だけはするな』と命じれば、コツコツ当てることもできるでしょうが、それでは持ち味が生きない。首脳陣も三振は容認していると思う。プロの1軍のレベルに慣れていけば自ずと減ります」と見ている。

 たとえば、同じ左の大砲タイプのヤクルト・村上宗隆内野手。新人王を獲得した2019年に36本塁打を量産した一方で、日本人選手歴代最多の184三振を喫した。しかし、翌2020年には115三振に減少し、三振率も2019年の31%から22.3%に。打率は.231から.307に急上昇した好例がある。

 しかも、佐藤輝は2月のキャンプから注目を浴び、オープン戦では12球団最多の6本塁打を放って一躍“時の人”となった。公式戦開幕からは8試合連続で「6番・右翼」でスタメン出場。「ずっと突っ走ってきて、体も頭も疲れているはず。5日は試合がなく、6日からは宿敵の巨人と甲子園で3連戦。スタメンから外し、休養を与えるには丁度いいタイミングでした」と野口氏はうなずいた。

低迷の要因は徹底した内角攻め「相手から一流の素材と認められている証し」

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