「セカンドフライで本塁生還」専門家が解説するロッテ・マーティンの走塁テク

ロッテのレオネス・マーティン【写真:荒川祐史】
ロッテのレオネス・マーティン【写真:荒川祐史】

ヤクルトで活躍、ソフトバンクでコーチも務めた飯田哲也氏が解説

 交流戦も終了し、まもなくリーグ戦が再開する。ロッテのレオネス・マーティン外野手の献身的なプレーが交流戦で随所に見られた。走者の時は次の塁を狙い、外野守備の時は次の塁を許さない。“先を読む”プレーが続出。ヤクルト黄金期のリードオフマンで外野守備走塁コーチも務めた野球解説者・飯田哲也氏は「外国人選手に教えてもなかなかできないプレー」とその真意を解説した。

「次の塁を狙ってやろうっていう姿勢、隙があれば行ってやろうっていう気持ちの表れですね」

 飯田氏が走塁チェックした場面は5月28日のロッテ-広島(ZOZOマリン)の5回1死二、三塁。マーティンは三塁走者だった。レアードの打球は高々と舞い上がり、上空の風に煽られながら、二塁の後方へ。広島の二塁手・安部が体勢を崩してキャッチした瞬間、タッチアップを試みて、生還したのだった。

「パーソル パ・リーグTV」の公式YouTubeでは「【神走塁】マーティン『セカンドフライで本塁生還』」と題して、動画を公開している。

「安部選手の捕球体勢が悪いというか、送球しにくいということを頭に入れて、スタートを切った。普通のランナーや、次の塁へ進む意欲のない走者なら、ハーフウェイして、戻るだけです。でも、マーティンは『隙はないかな』と思って、プレーをしていますね」

 集中力の高さを感じさせるプレーだった。過去に飯田氏がソフトバンクのコーチ時代に同じようなことを感じた選手がいた。

「グラシアルもそうですね。日本に来る外国人は打つだけという選手もいる。こういう外国人を獲得しているロッテが接戦に強いのがわかります。強いチームは走塁がしっかりしているイメージ。ソフトバンク、ロッテなど強いチームはそういう選手がいる印象です」

 飯田氏の現役時代はヤクルトのジャック・ハウエルが集中力の高い選手だったという。打った瞬間から全力疾走で、野球を真正面から真剣に取り組んでいた姿が忘れられない。ファンからも好感が持てたのはマーティンと同じだろう。

「監督やコーチの立場から『次の塁を狙いなさい』と全員に言います。でも、できるかどうかは意欲と技術が必要です。説明して『わかった』と言うけれど、外国人選手に教えてもなかなかできないプレー。実際にできる選手は少ないですね」

 本塁打でリーグトップを走るマーティンだが、先を読む“足”と頭脳にも注目だ。

【動画】二飛でタッチアップ生還 マーティンの先を見る“頭脳的”走塁

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