チーム防御率は3点台に、2年目の奥川も台頭…課題の投手陣を立て直した燕・高津監督

前半戦を3位で折り返したヤクルト【写真:荒川祐史】
前半戦を3位で折り返したヤクルト【写真:荒川祐史】

5月末から抑えのマクガフが16セーブ、清水はホールド数トップ

 昨年まで2年連続最下位のヤクルトが、今季前半戦のセ・リーグを面白くした。83試合を戦って42勝32敗9分け。貯金「10」を作り、首位・阪神と2.5ゲーム差、2位・巨人と0.5差でターンした。山田、村上を中心とした強力打線を背景に、就任2年目の高津臣吾監督の下、投手陣も整備されつつある。

 開幕カードは阪神に3連敗もすぐに立て直して3・4月を貯金「4」で滑り出した。その後も好調を持続し、交流戦は10勝8敗と勝ち越し、7月は月間首位の7勝3敗1分けで終えた。総得点366点はリーグトップ。高卒4年目の村上がリーグ2位の26本塁打、山田が同3位の25本塁打と好調で、4月23日に合流したオスナ、サンタナの新外国人コンビが機能している。

 6月以降は、1番・塩見から青木、山田、村上、オスナと5番までをほぼ固定して戦えているのも大きい。今季好調の中村、サンタナが6、7番に控える打線は相手にとっては息が抜けない。前半戦最後の巨人2連戦(7月13、14日)は2試合で26安打、8本塁打を放ち、計25点を奪って連勝を飾った。

 懸案の投手陣も整備が進んでいる。前半戦のチーム防御率3.81はリーグ4位。2016年から昨年まで5年連続4点台を記録し、過去2年はリーグワーストの4.78(2019年)、4.61(2020年)だったが、今季は大きく改善されている。投手出身の高津監督の手腕が大きい。守護神の石山が不調と見るや配置転換を決断。5月下旬から抑えを担うマクガフが16セーブを挙げ、昨季最優秀中継ぎのタイトルを手にした清水は今季もリーグトップの25ホールドをマークしている。他にも今野、坂本、梅野らが奮闘。充実した救援陣が好調を支えている。

 先発陣も足並みが揃ってきている。エース・小川がチームトップの7勝を挙げ、開幕前に巨人からトレード移籍した田口がチーム最多の15試合に先発して8度のクオリティ・スタートを達成した。

 高卒2年目の奥川も着実に力をつけている。ここまで10試合に登板して4勝1敗、防御率4.19。常に中10日以上の間隔を空け、万全の状態で登板し、成長を遂げてきた。6月20日の中日戦で7回無失点、7月1日の阪神戦で7回1失点、同13日の巨人戦で6回3失点と好投して前半戦を終えた。後半戦はさらなる飛躍が期待される。

(Full-Count編集部)

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