侍ジャパン、米国戦の勝因は? 元代表スコアラーが読み解く「最大のポイント」

米国代表にサヨナラ勝ちし準決勝進出を決めた侍ジャパン【写真:AP】
米国代表にサヨナラ勝ちし準決勝進出を決めた侍ジャパン【写真:AP】

三井康浩氏が解説、侍が2点返した段階でも「まだ流れは米国にあった」

■日本 7ー6 米国(2日・ノックアウトステージ・横浜)

 東京五輪の野球日本代表「侍ジャパン」は2日、横浜スタジアムで行われた準々決勝・米国戦で7-6のサヨナラ勝ちを収めた。同点の10回1死二、三塁で途中出場の甲斐拓也捕手(ソフトバンク)が右越えの決勝打を放った。延長タイブレークの激闘の末に掴んだ勝利に、2009年WBCで日本代表チーフスコアラーを務めて世界一に貢献した野球評論家・三井康浩氏は勝因に6回、7回を無失点に封じた千賀滉大投手(ソフトバンク)の投球を挙げた。

 ◇ ◇ ◇

 最大の勝利のポイントを挙げるとすれば、私は4番手として6回から登板し、2イニングを1安打5奪三振無失点に抑えた千賀滉大投手(ソフトバンク)のピッチングだと思います。米国は同点の5回に3番手の青柳晃洋投手を攻めて一気に3点を奪いました。その裏、侍ジャパンが2点を返したものの、この時はまだ流れは米国にありました。

 4月に左足首靭帯損傷の大怪我を負ったことで本来の調子からはほど遠かった千賀。この日も、千賀にしては制球はいまひとつでした。ただ、米国の打者の大半は“お化けフォーク”の異名を取る、あれほど落差の大きいフォーク、そしてキレのあるカットボールに面食らったのでしょう。

 低めの変化球を意識すれば、今度は高めのストレートに振り遅れるという悪循環。5回は3者三振。6回も2死一、二塁としたものの、それまで3打数3安打だったコロスバリーがフォークを振らされて三振に倒れました。千賀がそれまで押せ押せだった米国の勢いを完全に断ち切ってくれました。

「タイブレークになると豊富な投手力と小技の精度が生きる」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY