史上初“セパ同時捕手首位打者”なるか 広島・坂倉将吾&2度目狙う西武・森友哉

広島・坂倉将吾(左)と西武・森友哉【写真:荒川祐史】
広島・坂倉将吾(左)と西武・森友哉【写真:荒川祐史】

捕手の首位打者は野村、古田、阿部、森の4人だけ

 日本プロ野球界が待望していた「打てる捕手」が確実に増えている。パ・リーグで2019年MVPの西武・森友哉が打率.324で2位につけ、2年ぶり首位打者へ虎視眈々。セ・リーグでは広島の坂倉将吾が今月7日に規定打席に到達し、こちらも打率2位の.322。セ・パ両リーグで同じ年に捕手が首位打者を獲得すれば、史上初のことになる。(成績はすべて9月11日現在)

 過去のプロ野球を振り返っても捕手の首位打者は4人と少ない。初めて手にしたのは1965年の野村克也(南海)。打率.320で、スペンサー(阪急)を9厘差で抑えた。この年は本塁打、打点のタイトルも獲得し、戦後初の3冠王となった。

 続いたのが1991年の古田敦也(ヤクルト)で打率.3398。シーズン最終戦の第1打席で安打を放ち、落合博満(中日)の.3395を抜いた。実に3毛差の決着だった。2012年には阿部慎之助(巨人)が.340で首位打者に。打点と合わせて2冠王に輝いた。

 森の首位打者は記憶に新しい。2019年に.329をマークして吉田正尚(オリックス)とのデッドヒートを7厘差で制した。今季も2人が争う展開だ。昨季.350でタイトルを手にした吉田正が.338で今季もトップを走るが、左ハムストリングスの筋損傷で今月5日に出場選手登録抹消となった。一方、森はシーズン序盤は苦しんだが、じわじわと上昇。.324で2位につけ、2年ぶりタイトルを射程圏にとらえている。

 そして、注目は広島の坂倉だ。日大三高から2016年ドラフト4位で広島に入団した入団5年目の23歳は今月7日に規定打席に到達。この時点で.330で首位打者に躍り出て、11日試合終了時点でトップのオースティン(DeNA)に2厘差の.322(289打数93安打)だ。

 坂倉は96試合に出場し、捕手での先発出場は44試合。一塁での先発出場が30試合で両ポジションを兼務する形ではあるが、マスクを被る機会は着実に増えている。両リーグの捕手が同一年で首位打者になれば初、森は捕手初の複数回首位打者のチャンスでもある。2人の捕手の今後の打棒が注目される。

(Full-Count編集部)

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