史上初のセパとも優勝球団以外から選出? 混沌とするMVPレースの行方はどうなる

中日・柳裕也(左)と広島・鈴木誠也【写真:荒川祐史】
中日・柳裕也(左)と広島・鈴木誠也【写真:荒川祐史】

セ・リーグで「WAR」トップは野手が鈴木誠也、投手は柳裕也

 優勝争いもいよいよ佳境に入ってきた2021年のプロ野球ペナントレース。セ・リーグは阪神が2位のヤクルトに2ゲーム差をつけて首位に立ち、パ・リーグはロッテがオリックスに3.5ゲーム差をつけて独走体勢に入りつつある。残り試合数は30試合ほど。優勝争いとともに、気になるのは各種タイトルや賞レースの行方だろう。

 さまざまなタイトルもさることながら、今季に限れば、その行方を予想するのが難しいのがMVPではないだろうか。1年間で最もセパ両リーグで活躍した選手が選ばれるMVPだが、今季はその争いが混沌としている。ここでは、選手の総合的な貢献度を表す「WAR」を用いて、MVPの行方を占ってみよう。なお、セイバーメトリクスの指標などで分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータ(9月17日現在)を用いた。

 まずは阪神が首位に立つセ・リーグだ。

 阪神が首位に立ち、ヤクルト、巨人が追う形になっているここまでのセ・リーグ。打者で「WAR」トップに立つのは広島の鈴木誠也外野手とヤクルトの村上宗隆内野手で「5.7」。ヤクルトの山田哲人内野手(4.9)、DeNAのタイラー・オースティン外野手(4.8)が続き、阪神のトップは近本光司外野手(4.7)、巨人のトップは坂本勇人内野手(3.7)となる。

 投手で貢献度が最も高いのは中日の柳裕也投手でWARは4.0。巨人の戸郷翔征投手(3.3)、ヤクルトの奥川恭伸投手(3.3)が柳を追い、青柳晃洋投手(3.1)、ジョー・ガンケル投手(3.0)、西勇輝投手(3.0)と阪神勢が続く。優勝を争う阪神、ヤクルト、巨人勢にも候補となる選手はいるものの、傑出した成績ではなく、決定打に欠く印象は拭えないか。

パ・リーグは野手が森友哉、投手は山本由伸

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