「ヤクルトが圧勝するかも…」専門家が展望する日本一への“絶対条件”とは?

オリックス・山本由伸(左)とヤクルト・奥川恭伸【写真:荒川祐史】
オリックス・山本由伸(左)とヤクルト・奥川恭伸【写真:荒川祐史】

評論家の野口寿浩氏「奥川が山本を食うと、一気に流れがヤクルトに」

 ヤクルトとオリックスが激突する「SMBC日本シリーズ2021」が20日に京セラドームで開幕する。予告先発なしで行われるが、オリックスは山本由伸投手が先発することが確実。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で通算21年間捕手として活躍した野球評論家の野口寿浩氏は、ヤクルトの先発を奥川恭伸投手と予想した上で「もし奥川が山本に投げ勝つようなことがあれば、ヤクルトがそのまま4勝1敗くらいで圧勝するかもしれない」と展望した。

 シリーズの行方は第1戦に懸かっているのかもしれない。野口氏は「奥川が山本を食ってしまうと、一気に流れがヤクルトに行く。奥川はそういう雰囲気を持った投手です」と指摘。その一方で「オリックスが山本で無難に第1戦を取れば、何勝何敗はともかく、オリックスが日本一になる可能性が高い」と見る。

 実際、ヤクルトはクライマックスシリーズのファイナルステージでも、第1戦に先発した奥川が巨人を完封。そのまま2勝1分と負けなしで日本シリーズへ駒を進めた。ただ、20歳の奥川はレギュラーシーズンでは、最短でも中9日を空けて先発していた。短期決戦の日本シリーズ中に、2度先発することは可能なのだろうか。

 野口氏は「オーソドックスな物の考え方をする高津監督のことですから、おそらく普通に奥川は中6日で第6戦の先発に当てはめると思います。ただ、どうしても奥川にインターバルを取らせたいのであれば、第2戦に先発するであろう高橋奎二を中5日で第6戦に起用し、奥川を中7日で第7戦に回すことも考えられる」。いずれにせよ、そこまで決着がもつれ込めば、奥川にとってはプロ入り後に最も短い間隔で先発することになる。

 第3戦から第5戦の先発候補では、CSファイナルステージ第3戦に先発し、右手に打球を受けて緊急降板した原樹理投手の状態が気がかり。小川、高梨も控えているが、野口氏はプロ20年目のベテラン・石川雅規投手の先発起用を推す。「経験豊富だし、先発候補の中で1人だけ違うタイプの技巧派左腕。パ・リーグにもああいう投手はいないので、オリックス打線を幻惑できるのではないか」と見るからだ。

 レギュラーシーズン終盤からCSにかけて若い選手を前面に押し出し、いったん勢いづくと手がつけられない雰囲気を醸し出していた燕軍団。それだけに、第1戦に勝って流れを持って来れるかどうかで、その後の展開は大きく変わりそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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