鷹ドラ3木村大成が初の実戦登板 「悔しい内容」にも感じたポテンシャル

3軍交流戦に登板したソフトバンク・木村大成【写真:上杉あずさ】
3軍交流戦に登板したソフトバンク・木村大成【写真:上杉あずさ】

体重3キロ増で厚みを増した体、平均球速もアップ

 ソフトバンクのドラフト3位ルーキー・木村大成投手が12日、タマスタ筑後で行われた四国IL香川との3軍交流戦でプロ入り後初の実戦登板を果たした。“デビュー戦”は1イニングを投げ、2つの四球を与えて1失点。初の実戦登板を果たしても「やってきたことをマウンドで出せなかった」と悔しげな表情を浮かべていた。

 北海高から入団した木村は最速150キロのストレートとキレのあるスライダーを武器とし、奪三振率の高いサウスポーとして期待の高卒ルーキー。先月、新型コロナウイルスの陽性判定を受けた影響で、同期たちよりもデビューが遅れてしまったが、ようやくプロでの第一歩を踏み出した。

 出番は4-1と3点をリードした7回。念願のプロ入り後初の対外試合のマウンドに上がった。初球、思い切り投げ込んだ直球はこの日最速の145キロ。だが、追い込みながらも先頭打者に四球を与えた。続く打者もフルカウントから歩かせ、犠打で1死二、三塁に。犠飛で1点を失い、その後は、相手の4番を空振り三振に仕留めた。

 試合後、木村は「悔しい内容でした。練習でやってきたことをマウンドで出せなかった」と肩を落とし、失点に繋がった2つの四球を悔いた。緊張はしなかったというものの、いざマウンドに立つと自分のフォームで投げられず「ゼロに抑えることを目標にしたけど、それが出来なかった」と振り返った。

 そんな中でもポテンシャルの高さも感じさせた。体重は入団から3か月ほどで3キロほど増え、見るからに身体の厚みが増した。ストレートの平均球速も高校時代から2、3キロアップしたという。自主トレ、キャンプと取り組んできた身体作りの成果が徐々に表れてきている。

 コーチ陣にも「最初は仕方がない」と声を掛けられた左腕だが、「期待されていることは分かっているので、最初とか関係なくしっかり投げたかった」と言葉からは期待に応えたかった思いが溢れた。ただ、落ち込んでいても前に進まない。「マイナスにばかり考えても仕方がないので、今日出た課題を受け止めて頑張ります」と、初登板の悔しさを糧にプロでの飛躍を誓っていた。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)