千賀滉大の中にいる「2人の自分」 無傷3勝、防御率0.62の好投支える“成長”

ソフトバンク・千賀滉大【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・千賀滉大【写真:藤浦一都】

「しっくりきていない」と言うものの、7回3安打無失点で3勝目

 14日にPayPayドームで行われたロッテ戦で今季3勝目をマークしたソフトバンクの千賀滉大投手。30イニング連続無得点と苦しいチーム状況の中でマウンドに上がると、7回3安打無失点と好投した。打線も31イニングぶりの得点でエースを援護して、連敗もストップした。

 立ち上がりはやや不安定だった。先頭の高部に強襲の内野安打で出塁を許すと、盗塁と内野ゴロでいきなり1死三塁のピンチを招いた。2死三塁でレアードには死球を与えて一、三塁に。それでも佐藤を遊ゴロに打ち取って、失点は免れた。

 その裏に味方が2点を先行するも、2回には四球で、3回には安打と四球で走者を背負うことに。「内容的には渋い感じ。最初はどうなるかと思った」と千賀自身が試合後に振り返ったように、序盤は苦しみながらの投球だったが、それでも得点を許さないところがエースたる所以だった。

 今季に向けて「ぶっちぎりのキャリアハイ」を目標に掲げる千賀。ここまで4試合に先発して無傷の3勝。29イニングを投げて、まだ2失点しかしておらず、防御率は驚異の0.62をマークしている。ただ「今日もしっくりきていない」と話したように、ここまで納得できた投球はない。それでも抑えられるところに、千賀の“成長”が見てとれる。

「自分のやりたいことと、チームが求めていることのバランスを自分で把握してきた」