鷹スチュワートJr.が示した復調と進化 復帰2戦目の3軍戦で自己最速158キロ記録

3軍練習試合に先発したソフトバンクのカーター・スチュワート・ジュニア【写真:上杉あずさ】
3軍練習試合に先発したソフトバンクのカーター・スチュワート・ジュニア【写真:上杉あずさ】

3軍練習試合の高知戦で先発し、3回を無安打1失点に抑えたスチュワート

 ソフトバンクのカーター・スチュワート・ジュニア投手が19日、タマスタ筑後で行われた四国IL高知との3軍練習試合に先発し、自己最速タイの158キロをマークした。3回を投げて無安打1失点(自責は0)、4つの三振を奪って好投した。

 春季キャンプ中に腹直筋を痛めて以降、リハビリ組で調整をしてきたスチュワート。復帰戦となった14日のヤマエ久野九州アジアリーグ・火の国サラマンダーズとの交流戦では1回を投げて1安打無失点だった。中4日で臨んだ2度目の実戦マウンドでは3回43球を投げ「イニング間にキャッチボールをしたり、しっかり準備も出来た。3イニング投げられてよかった」と振り返った。

「初回は力を入れた」というスチュワート。1番打者への初球に155キロをマークすると、156、157キロと力のある真っすぐを次々に投げ込んだ。先頭は二飛、後続を連続三振に仕留めて3者凡退。球場の球速表示では初回に2度、157キロが計測されていたが、球団のスピードガンでは自己最速に並ぶ158キロを計測していたという。それを聞いたスチュワートは「スピードが出るのはいいこと。それがすべてではないが、目安になる」と笑みを浮かべた。

 2回は味方の失策で先頭に出塁を許すも、落ち着いて後続を斬った。2回は要した球数もわずか9球だった。3回は先頭に四球を与え、二盗、三盗を決められた。その後、味方の失策の間に1点を許したが、この回も2つの三振を奪っており「四球は出したけど、いい球がいっていた」と手応えを感じる登板だったようだ。

 昨オフから体の使い方を変えたというスチュワート。「腕の位置がちょっと変わったのと、脚をしっかり使って、上半身と下半身の割れを使って投げるようにしました」。キャンプ中の負傷も、モデルチェンジをする中で、身体への負荷のかかり方が変わったのが要因と自己分析する。新しいスタイルに対応していくため、リハビリ中は身体の強さや柔軟性を高めるためにトレーニングを積んできた。

 他の外国人選手たちからも日々様々なことを学んでいる。「みんなメジャーでの経験が多いので、いろんな話をして、自分に取り込めることがあれば取り込んでいます」とスチュワート。今季加入したタイラー・チャトウッド投手からはボールの握りの強さについて助言を貰ったという。来日4年目を迎えたスチュワート。怪我に苦しむ時間も短くなかったが、全米ドラフト1巡目指名も受けたポテンシャル高き右腕が復帰へ向けて歩みを進めている。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)

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