鷹・長谷川コーチが苦しむ柳田へ授けた助言 「年寄りバッティング」とは?

バッティングのアドバイスを受けるソフトバンク・柳田悠岐【写真:福谷佑介】
バッティングのアドバイスを受けるソフトバンク・柳田悠岐【写真:福谷佑介】

「本質というか、もうシンプルに、シンプルに考えてもらえるように」

■ソフトバンク ー 阪神(交流戦・9日・PayPayドーム)

 打撃不調に苦しんでいるソフトバンクの柳田悠岐外野手。9日に行われる阪神戦前の練習では、打撃練習中に昨季限りで現役を引退した長谷川勇也打撃コーチから身振り手振りを交えて、アドバイスを受ける場面もあった。練習後に長谷川コーチは助言の中身について「おじちゃんバッティング、年相応のバッティングを見せただけです」と明かした。

 ここ6試合で打率.200、14試合連続で本塁打が出ておらず、なかなか状態の上がっていない柳田。この日の練習では長谷川コーチのアドバイスに耳を傾け、普段よりも長い時間をかけて、ティー打撃で自身のバッティングを確認していた。

 長谷川コーチは「年寄りバッティングを見せただけ。なんていうのかな。本質というか、もうシンプルに、シンプルに考えてもらえるように、ただそこだけだよっていうような感じ」と柳田に伝えたことの一端をこう説明する。“年寄りバッティング”とは一体どんなものだろう。

「どこがというのは説明できないんですけど、そんなに力まなくても飛ばせる力はありますし、タイミングが合えばしっかり振り切れると思う。まずはタイミングを合わせながら、あとはもうどこを使って振るか。その意識だけでっていう感じですかね。年寄りバッティングです」とも長谷川コーチは語る。バッティングの中で、無駄な要素を削ぎ落としていき、シンプルにしていく。長谷川コーチの現役時代後半の考えを伝えたという。

 前日には王貞治球団会長も、柳田に対して助言を送っていた。その場に居合わせた長谷川コーチは「多分似てると思います。会長の言うこともシンプル。いろんなものを省いた中で、シンプルなことを言うので、シンプルに。これまでたくさんバットを振ってきたわけですから、体に染みついてきたものがあるんで、あとはそれを使って、しっかりピッチャーと勝負してくれたら。今はこれ以上、何か上積みをしていくよりかは、いろんなものを省いて省いてシンプルにしていくっていう感じ」と説明した。

 藤本博史監督は「柳田の3番は絶対に変えない」と言う。ソフトバンクの打線の核。王会長と長谷川コーチの言う“シンプル打法”は主砲復活に繋がるか。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)