大谷翔平、7勝目TVインタを異例の“拒否” 毎回11Kも憂鬱「もう1人投げられれば」

ホワイトソックス戦に先発したエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
ホワイトソックス戦に先発したエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

ワイルドカード争いでも5ゲーム差、自然と騒がしくなる去就問題

■エンゼルス 4ー1 Wソックス(日本時間30日・アナハイム)

 地元ファンからの万雷の拍手。ヒーローであるはずのエンゼルス・大谷翔平投手はニッコリするどころか、殺気だっているように見えた。ダグアウトに戻ると足早にベンチ裏へ。「投げ切るかでかなり違うところなので。もう1人投げられれば一番良かった」。6回裏の打席に備えるために早々にベンチ裏へ戻ったようにも見えるが、それだけではない雰囲気だった。

 点を取られなきゃ負けない。この日も鬼気迫る奪三振ショーだった。初回のアウト全てを空振り三振で奪う立ち上がり。4回2死満塁ではハリソンから空振り三振を奪って雄叫びを上げた。5回2/3で毎回11三振を奪って無失点。6回途中での降板について「しっかり6回を投げ切りたかったですけど、なかなかしぶとい打線だった。球数(108球)がちょっと多かったかなと思います」。試合後は反省の言葉を並べたが、これ以上を求めるのは酷だろう。

 大谷が愛着を持つエンゼルスは開幕ダッシュを決めたものの、毎度の投壊ぶりで地区3位と低迷。マドン監督が電撃解任となってもチーム状況は上向かず、ワイルドカード争いも5ゲーム差と厳しい戦いが続いている。「きついなと思ってマウンドにいくことはもちろんない。どんな状況でもやることは変わらない」と言い切ったが、周囲はエンゼルスとの再契約問題やトレードの話など何かと騒がしい。

 チームは逃げ切り勝ち。勝利のハイタッチに加わる大谷に笑顔はなく、本拠地登板試合で勝ち星を挙げた際のTVインタビューもこの日はなし。関係者によると、大谷サイドが丁重に断ったという。そして、取材中も表情を緩めることもなかった。

 今季5度の2桁奪三振はリーグ唯一の快記録。メジャー全体でもブルワーズのバーンズと2人だけだ。「各球種、もちろんゾーンの中でしっかり勝負できているというのもありますし、各打者の特徴を捉えながら、ピッチングができているというのは大きいかなと思います」と淡々と振り返った。でも、これだけの奪三振ショーで勝たせても喜べないなんて。喜ぶには勝ち続けて再び地区優勝争いをするしかないのか。妙なプレッシャーから解放され、もう1度、笑顔の大谷を見てみたい。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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