1軍に「1番近いかも」と評価する選手は誰? 鷹・小久保2軍監督の一問一答全文

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:福谷佑介】

急遽組まれた2軍と3軍の紅白戦は「ピッチャーを投げさせるため」

 ソフトバンクの2軍と3軍が20日、タマスタ筑後で紅白戦を行った。当初はウエスタン・リーグの広島戦が行われる予定だったものの、新型コロナウイルスの影響で中止となり、急遽、投手陣の調整の場として実施された。2回に3軍が牧原巧汰捕手の適時二塁打で先制。2軍は3回に佐藤直樹外野手、正木智也外野手の連続適時打などで3点を奪って逆転した。4回には3軍が再び牧原巧の適時打などで同点に追いつくと、7回に育成ルーキー佐久間拓斗内野手が決勝のソロ本塁打を放って3軍が勝利した。

 この日、ファームに合流した新戦力の秋吉亮投手は3軍の3番手として1回を投げ、1安打2奪三振無失点だった。紅白戦終了後の小久保裕紀2軍監督の一問一答は以下の通り。

――3軍に接戦で負けてしまいました。
「まぁまぁ、そこはあまり。ピッチャーを投げさせるために組んでもらった試合だったので、(試合を)できたことが良かったですね。秋吉の球がどうとか、甲斐野が復帰して投げられたことが良かったとか、嘉弥真もこの前よりはちょっと良かった。1軍に持っていくために、試合がないので、無理くりピッチャーに投げる機会を持たせた。そうなるとね、打者も当然課題も見つかるので。やっぱりチャンスでのバッティングで点が入らないとそうなってくるっていうのは、野球の典型的なパターンですよね」

――秋吉投手はWBCでも一緒だった。
「もちろん、久しぶりに一緒にやりますよ」

――実際に見ていかがでしたか?
「最初はちょっとどうかな、と思ったんですけど、やっぱりランナーを背負ってから、真砂に対してのところですよね。スライダーが命のピッチャーだと思うので、あそこで空振りを3つ取れたっていうのは、その良さが出たところかな、と。あと相手チームであれば、シュートも使うでしょうから。味方だとなかなかシュート攻めはできないでしょうから。この後のスケジュールは聞いてないですけど、四国(3軍遠征)の方に行くのかどうか。どうですかね」

――3軍で投げる可能性もある?
「そうですね、はい。1軍の指示があれば、そういう風に動くことになると思います。それは彼だけじゃなくて他のメンバーもそう。2軍がもう8月まで試合がないので」

佐藤直樹は「今、呼ばれるのであれば1番近いかもしれない」

――嘉弥真投手も大阪で投げたときより状態が良かった?
「あれよりは良かったんじゃないですか? 前回はスライダーがあんまり良くなかった。でも、経験のある選手ですから。楽天は左バッターが多いんで、と思ったんですけど、もうちょっとですかね。今日、明日の昇格はないと思います」

――野手陣で言うと、佐藤直樹選手はだいぶ状態が上がっている。
「直樹はずっといいですよ。本当、怪我だけで。今日はちょっと早めに替えましたけどね。やっぱ出力が高い選手で、同じ箇所を何回も痛めているので、それがもう持病にならなければいいなと。足が売りの選手で、足に持病を抱えていると、なかなか厳しいですよね。1番のアピールポイントなんで」

「僕みたいに足が売りじゃなけりゃ、あれくらいの肉離れは平気で試合に出られたんですけど、彼の場合は100で走ってを期待されているので。だから再発も含め、古傷っぽくならなければいいなという感じですかね。当分、試合がないので、今日はセンターのプレーのあとに、三塁打もあったんで、あそこでちょっと代えておこうかなとなりました」

――あれだけできるからこそ慎重に。
「そうです。これがもう1軍にすぐね、呼ばれるのであれば、怪我させて行かすよりは、というのもありますし。今、呼ばれるのであれば1番近いかもしれないからですね、状態的に」

――正木選手は降格してきましたが、やはり格の違いを見せた。
「今日、フリーで(正木に対して)投げたら、あまり良くなかったので、ちょっと話した。そこの部分が修正できれば、十分に勝負できる。やっぱり微妙に1軍に行って、打てなくなって戻ってきた時って、何かどこかしらでズレていますね。前回もそうだったんですけど、今回も始動が遅くなってきたのと、バットのヘッドがどうもピッチャーに返らずレフトにしか返ってなかった。僕が投げて、ほとんど先で引っ張りの打球だったからね。全然そんなんじゃなかったので、今まで」

「状態が良くて1軍に呼ばれて、行こうっていうときのバットの軌道とは全然違ったかな。その話はしましたけどね。直す方法はもうこれも本人の引き出しですから。僕はこういうふうに思うっていう練習方法はあるけど、それが彼に合うかどうか分からないので。バットをたくさん振るヤツですからね、そこから修正してくると思いますよ」

ファーム降格となった正木は「どの首脳陣でも使わざるを得ないくらい打てばいいんです」

――正木選手の場合は昇格と降格が続いていますが、その度に成長している?
「もちろん。本人も分かっているでしょうけど、とことん打たないと、アイツの場合は。肩が特別強いわけじゃない、足が特別速いわけじゃない、守備が特別うまいわけじゃない。その点、僕が入った時に似ていますよね。とことん打てばいいんですよ。どの首脳陣でも使わざるを得ないくらい打てばいいんです。単純な話」

――3軍の野手で気になった選手はいましたか。
「こっちに今日、加藤(晴)が入っていたんですけど、キャッチャーが捕ってからの返すテンポが速いし、バッティングはバスターでしてるみたいですけど、高卒1年目にしてはとちょっと感じた。あと、佐久間だったっけ? ファウルホームランみたいな(笑)。でも、彼はパワーが持ち味。ファウル(判定は本塁打)とはいえ、泉の球をあそこまで持っていったので自信にしたらいいんじゃないですか」

――会長も来られていましたが、選手たちには何と?
「両チームを一気に見られる数少ない機会なんで『いいものを見させてもらったよ』と言ってお帰りになられました」

――7月はもう試合がありませんが、2軍はどう過ごす予定?
「普通に練習するしかないですね。オールスター休みはもちろん作りますけど、フレッシュオールスターが今週あるし。僕とか出る選手はもちろんそっちに行きますけど。基本は、オールスター休みは上と合わせながら、という感じのスケジュールですね」

――田上投手が1軍で投げたとき以来の長崎ですね。
「もう道は覚えています(笑)」

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)

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