佐々木朗希を凌ぐ“日本一打たれないストレート” セ界席巻…24歳右腕の衝撃数値

阪神・才木浩人【写真:荒川祐史】
阪神・才木浩人【写真:荒川祐史】

阪神・才木は直球による失点増減の合計を示す「wFA」で12球団断トツの数値

 58試合を終えて36勝20敗2分けでセ・リーグの首位を走る阪神。進撃を支えているのが、チーム防御率2.75の盤石投手陣。特に先発では、ここにきて7年目24歳・才木浩人投手の充実ぶりが著しい。直近4登板で4連勝。11日の日本ハム戦(エスコンフィールド)も7回無失点の快投でチームの連敗を3で止めた。右腕は一体何が凄いのだろうか。

 才木はここまで9登板で5勝3敗、防御率1.53。白星はリーグ4位タイで防御率は2位。61奪三振は2位で、奪三振率9.36は1位だ。3連敗を喫した後に2軍調整を経て5月21日に1軍復帰すると、そこから4連勝。6月4日のロッテ戦(甲子園)では完封勝利を飾り、佐々木朗希投手に今季初黒星をつけた。

 1投球回あたり何人の走者を出したかを表す「WHIP」は規定投球回に達した投手の中でリーグ2位の0.90。3.5を超えれば優秀とされる「K/BB」も4.69の高水準に達している。

 セイバーメトリクスの観点から野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータによると、ストレートの平均球速は今季40イニング以上投げた投手で10位の149.6キロ(1位は佐々木朗で159.5キロ)。投球割合は56.1%で5番目に多い。

 特筆すべきはストレートによる失点増減の合計を示す「wFA」の数値。才木は今季1軍登板した投手全員の中で断トツの11.0をマークしている。プラスが大きくなればストレートの結果が良かったことを表す指標で、2位は巨人のフォスター・グリフィンで8.9。以下、オリックス・山本由伸が8.3、佐々木朗が7.9で続く。

 2020年11月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、昨年7月に1軍復帰。4勝を挙げて今季の飛躍が期待されていた右腕は今季、右肩上がりの成長曲線を描く。日本一打たれないストレートを武器にどこまで飛躍を遂げるか、注目される。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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