大谷翔平の激怒は「最高だった」 横にいた外野手は“恐怖”も…ド軍を突き動かした激情

パドレス戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
パドレス戦に出場したドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

大勝後も大谷は笑顔を見せず戦闘モード「お疲れっした」

【MLB】ドジャース 8ー0 パドレス(日本時間10日・サンディエゴ)

 絶対に負けられない第4戦で大勝。ドジャース・大谷翔平投手はロサンゼルスへの移動着に着替えても、少しの笑みも見せなかった。「お疲れっした」。その表情は引き締まったまま。“まだ戦いは続いている”と言わんばかりだった。

 気合いでみなぎっていた。1点リードの2回2死一、三塁。右腕シーズの外角高めスイーパーに反応。見逃せばボール球だったが、強引に右前へ打ち返した。雄叫びをあげながら一塁へ。ベース上に到達すると、自軍ベンチへ向かって「オレイ!」と声を張った。バックネット後方の5階席に位置する記者席にも響く、魂の叫びだった。

 激情も見せた。5点リードの4回2死二塁。テオスカー・ヘルナンデスの三塁線への打球で二塁から本塁を狙ったが、打球が三塁塁審の腕に当たるハプニング。三塁・マチャドからの本塁送球で悠々アウトとなった。ベンチに戻った後に映像を確認したのか、声を張り上げ、珍しく怒りの様子も見せた。

 日頃のクラブハウス内ではユーモアあふれる二刀流も、この日は違った。近くにいたベテラン・キアマイヤーは、目を見開いて驚いていた。「怖かったけど、最高だったね」。負ければ終戦の大一番で1安打1打点3出塁。1番打者としての働きはもちろん、その激情でチームを動かした。

 11日(同12日)の第5戦は舞台をドジャースタジアムに戻す。負ければ終戦という状況に変わりはない。「後がないという感覚自体が今の僕にはないと思う。2連勝すればOKというゲームだと思います」と語っていたが、野球人・大谷翔平の本能が見える大一番となりそうだ。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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